ちょっと女子~!

「ちょっと男子〜笑」という決まり文句を、これを読んでくれている皆様もどこかで一度は見たことがあると思う。

発達的にも、精神年齢が女子と比較して上がりにくい男子は、ちょっぴり大人な女子から見るとトラブルメーカーとして扱われがちだ。

また、少なくとも「永遠の少年」と言えるような側面が、日本男児にはあると思う。

そのような背景からも、昔から「ちょっと」と言われるのは男子なのだと決まっている。

しかし、だ。どうしても天邪鬼な僕は、女の子が失敗やちょっとした間違いがあったときに、これ見よがしに「ちょっと女子〜」と言ってしまう。

これがなかなか人によっては不快感が高いようで、大半の女の子には「むっ」とした顔をされる。
ましてや、それが気の合う女友達だった場合、「殺すぞ」などと言われてしまう。
殺すぞ、は良くない!

一方で「それが言われるのは男子でしょ笑」と返してくる女の子もいる。いいツッコミだ……。

ここで言いたいことは、別に女子批判でも男子批判でもない。ましてや僕自身の天邪鬼性の紹介でもない。

この「ちょっと」という言葉の素敵さに僕は惹かれてしまうのだ。

日本語には様々なクッション言葉が存在する。
「恐れ入りますが」「大変申し訳ないのですが」などがそれに当たるのかもしれない。

しかし、この「ちょっと」という言葉はただのクッション言葉ではないのだ。

そこには、クッションや合いの手という意味合いだけでなく、ましてやlittleという意味も、そして指摘という意味合いも全て含んでいる。
ただ、柔らかくも固くもない。そして長くもなく、文字数は簡潔に収まっている。
なのに、そこには何十という意味合いとナラティブが包含されている。

僕は外国語には明るくないため、こういった性質はもしかしたら日本語だけに限ったことではないのかもしれない。

それでも、ただの定型文に留まりきらない「ちょっと」のような言の葉を見かけると「いいね」と思う。

だから、天邪鬼性という理由を除いたとしても、僕はこの「ちょっと」という言葉を日常的に使っていきたいのだと思う。

#エッセイ #cakesコンテスト

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