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ワックスやコーティング剤を施工した後に虫が寄ってくること、天然素材であることを「安心安全」と標榜している会社と商品には気をつけろ

施工後に虫が寄ってくるくらいだから安心安全
天然素材だから安心安全

某商品の宣伝文句

このような宣伝文句でワックスやコーティング剤の安全性を謳っているのを見たことがある人も多いと思います。これに対してあなたは

あーなるほど!

と何の疑いもなく信じちゃうタイプですか?

ん?何かおかしくないか?

と疑うタイプですか?

僕はとりあえず疑うタイプです。
だからこのように記事を書くことが出来ます。

鵜呑みにして信じてしまうタイプの人にとって、僕の考察は単に「面倒くさい奴だ」としか感じないと思うので、そっ閉じでお願いします。

でも大事なことだから知っておいて損はないとは言っておきます。
 

虫は安心安全について何も語っていない

あなたは虫ですか?
僕はというか、人間は虫ではありません。
だから

虫が何の保証をしてくれると言うんだい?

と考えてしまいます。

そうした宣伝文句の言いたいことは分かってはいるんです。
分かっている上で考えてしまうんです。

良い意味で解釈するなら、安心安全であることを強調したいがための「嘘も方便」ということでしょう。

悪い意味で解釈するなら、商品を売りたいがために

  • 分かりやすい現象を拡大解釈して

  • 大した根拠もなく

  • 都合の良いように扱っている

ということです。

いずれにしても、人にインパクトを与えるには五感の中でもとりわけ「視覚」に訴えるのが最も効きますから。

はいそこで次のツイッターの動画をご覧ください。

僕が製造販売しているマイティ3®の成分は、シリコーン樹脂、界面活性剤、有機溶剤、研磨剤です。(現行のversion2にはこれにフッ素系樹脂が追加されています)

寄ってくるなんてレベルじゃない。
マイティ3®は虫が食べてしまうほどに超安心安全です。
でもそれを鵜呑みにして良いんでしょうか?
 

そもそも安心安全って何だ?

安心安全という言葉だけではあまりに漠然とし過ぎるのでもう少し具体的にしたいと思います。

  • クルマの美観維持を妨げる、意図しない劣化現象が起きにくいこと

  • アレルギーや皮膚に疾患がなければ素手で使っても特に問題がないこと

  • 原液を廃棄するのでなければ環境汚染の問題にならないこと

  • 冷暗所保管していれば内容物の変質は緩やかであり、長期間に渡って使用が可能であること

  • 冷暗所保管していればボトルキャップの破損は考えられないこと

  • 他のケミカル剤と混ざったとしても有毒ガスが発生しないこと

正しく使うという前提であれば「気軽に使える」ということだと思います。
それは馬鹿の一つ覚えで使えるマイティ3の特徴でもあります。

ここで一つ分かりやすい例えを挙げます。

クルマには「爆発しません」という保証書は付いていません。

クルマには、マイナス40℃で引火する非常に危険な「ガソリン」が大量に積まれているにもかかわらずです。
なぜなら「爆発しないように設計されている」からです。
もしクルマが爆発する事態があったとしたら、それはその設計の許容を超えたことをしたということになります。

安心安全の半分はメーカー側に責任があると思います。
ただしもう半分はお客様が正しく扱うことによるものだと思います。

僕が普段から言っていることですが、

何を使うかも大事ですが、それをどう使うかも大事

そう考えると、虫が寄るからとか食べているから安心安全って何か違和感を感じてきませんか?
 

虫が食べるから人間にも安心安全と言えるのか?

「毒」という言葉から何をイメージしますか?

「トリカブト」 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2022年10月03日(月) 20:12 UTC

僕はトリカブト(毒成分:アコニチン)をイメージします。
そこで調べてみました。

みんなで作る日本産蛾類図鑑」というウェブサイトにて「食草:トリカブト」で検索すると、四種が該当しました。

つまり人間にとって毒草であるトリカブトを食べる虫が少なくとも四種類いるということです。

他にもトリカブトよりもさらに猛毒のリシン(トウゴマ)なんかも二種類が該当します。

他にも調べると色々な事例を目にします。

昆虫が好んで食べるキノコでも人間に対しては有毒というものもあります。「虫の食べるキノコは無毒」というのは迷信だということです。

鳥類が食べてもなんともない木の実でも、人間が食べると有毒というのもあります。これは魚類など他の生物でも見られます。
つまり

虫(人間以外の生物)が食べるから安心安全ってなんのこっちゃ

ということが言えます。

少なくともあまり当てにならない指標であり、鵜呑みにしてはいけないということです。
なぜなら人間と虫(人間以外)では「生理機能が違う」からです。

人間と同じ哺乳類である犬や猫でさえ、大きく違います。
ペットを飼っている方は、ネギやチョコレートを与えてはいけないということでそれをよくご存じのはずです。
 

天然由来だから大丈夫という迷信

これも先ほどと同じく、もっともらしく聞こえてしまう宣伝文句です。

そもそもですが、無から有を作り出すことは出来ませんので、全てのものが厳密には「天然由来」です。

純天然、天然100%、自然素材、オーガニックetc

こういった耳障りの良い、一見するともっともらしい理由、こういったものは一度は疑ってみて調べてみると良いです。

全て「販売を促進するための言葉である」と僕は感じています。
だからダメとか悪だとか言うつもりではありませんが。

そうした言葉から安心安全を勝手にイメージして信じ込んでしまうということに問題を感じるし、リスクを見逃すことになりかねないということを言いたいんです。

ここで現在知られている自然界での最強の毒素、ボツリヌス菌(ボツリヌストキシン)をご紹介します。


LD50(半数致死量)が1.1μg/kg、つまり体重60kgであればたった100万分の60グラムの摂取で2人に1人は死ぬということです。

つまり10kgもあれば日本人全員死んじゃうくらいの量になります。

そんなもの食べたりしないよという方へ。

引用:一般社団法人日本養蜂協会

あなたが食べているハチミツに入っています。

ハチミツには糖の浸透圧による非常に強い殺菌作用があります。
ですが例外的にボツリヌス菌だけは死滅せずに生き残ってしまいます。

そのボツリヌス菌は、土壌、海、湖、川の中に広く存在しています。
つまりハチミツに限らずどこにでもいるということです。

そんな菌が自然界最強の毒素なんです。
いかに人間が際どい世界で生かされているのかよく分かります。
 

毒なのか薬なのかの境界はどこにあるのか

さきほど例に挙げたボツリヌス菌(ボツリヌストキシン)は最強の神経毒ですが、使い方によっては薬になります。

顔面に注射するとしわが伸びて見た目を若返らせる「ボトックス注射」なんかは皆さんよくご存じだと思います。

他にも眼瞼(まぶた)のけいれんや多汗症の治療にも使われています。

それって「毒を体内に注射している」ということです。

死なないということは、適切な量に調整しているということです。

毒は薬であり、薬は毒である。
ボツリヌス菌(ボツリヌストキシン)に限らず、存在する全てのものが「そもそも毒」です。

他にも所謂「毒」が「薬」として活用される事例は沢山あります。

  • 毒草のトリカブト(アコニチン)→強心剤

  • ダイナマイトの原料(ニトログリセリン)→狭心症の薬

望まない作用を抑えて、望む作用を引き出すには「量」によるということです。

昔から伝わることわざには「量」に関係するものが沢山あります。

  • 過ぎたるは及ばざるが如し

  • 及ばざるは過ぎたるより勝れり

  • 薬も過ぎれば毒になる

  • 分別過ぐれば愚に返る

  • 中庸は徳の至れるものなり

  • 念の過ぐるは無念

  • 礼も過ぎれば無礼になる(慇懃無礼)

  • 腹八分目

こういった言葉は先人が残した知恵だと言えます。

分かりやすく「10g」とか「10ml」という量を基準に考えた場合。
(おおよそ目薬程度の量です)

  • 毒として十分な量になる物質もあります。(例:カフェイン)

  • 薬として丁度良い量になる物質もあります。(例:バイアグラ)

  • その程度の量では毒にも薬にもならない物質もあります。(例:水)

これが分からないというのであれば、あまりに幼稚な二元論に支配されていると言わざるを得ません。
 

食品が毒として人間に牙を剥くこともある

安心安全だと長年信じられていたものが人間に牙を剥くことがあります。
記憶に残る代表的な事例が「茶のしずく石鹸事件」です。

茶のしずく石鹸での洗顔によって、皮膚にアレルゲンが侵入し重篤な小麦アレルギーを発症したという事件です。

4,650万個を販売した大ヒット商品でしたが、2011年に事件が発覚して以来、2111名もの被害者を出した大事件となりました。

発症した方の中には、アナフィラキシーショックや呼吸困難といった命に関わる重い症状も多発しています。
石けんを使っただけで命を落とす危険性があるとは、誰一人として想像していなかったのではないでしょうか。

[注意]今現在発売されている『茶のしずく石けん』には、小麦由来の成分は含んでいないとのことです。

この事例だけでなく、

  • ピーナッツオイル入りスキンケア製品でピーナッツアレルギー発症

  • 大豆成分入り化粧水で大豆アレルギー発症

  • 魚コラーゲンを含む保湿剤で魚介アレルギー発症

こんなことが実際に起こっているのが現実です。

  • 体にやさしい食物成分が配合されています

  • 自然の食べ物パワーでお肌をケア

このような宣伝文句は至る所で見れらますが、リスクもあるということを消費者は知らなければなりません。

食物成分を皮膚から吸収することで、
その食物に対するアレルギーを発症するリスクがある

これは茶のしずく石鹸の事件をきっかけに生まれた新しい概念なんだそうです。

何が安心なのか、何が安全なのか。
手放しに信じられていたことも、全く知らなかったことだとしても、そんな事情はお構いなし。
あなたを守ってくれないどころか、牙を剥いてくる訳です。
 

訳分からん理由で「安心安全」と標榜し販売している会社には気を付けた方が良い理由

以上のようなざっくりとした知識を得ただけでも、今までの考え方がガラッと変わった方もいるのではないでしょうか。

ワックスやコーティング剤を施工した後に虫が寄ってくること、天然素材であることを「安心安全」と標榜していたとしても、クルマに塗るワックスやコーティング剤では直接的な問題にはならないのかもしれません。

そうなのかもしれませんが「嘘も方便」として販売しているとしたら、僕はそのメーカーも商品も自分から遠ざけます。なぜなら

表からは見えない部分で何をやらかしているのか分からない

長年販売されてきた商品、長年使われてきた成分、そうした積み重ねには一定の信用が置けると僕は考えます。

なぜなら今日の安心安全という文字は、過去に流れた血で書かれている言っても過言ではないからです。
 

マイティ3の安心安全について

そこまで言うならマイティ3の安心安全はどうなんだ?

素朴な疑問

という疑問も生まれるのは当然だと思います。

齊藤〇美装としてマイティ3に対して安心安全をどう捉えているのか。
それは記事にしてあるのでご興味のある方はどうぞ。
 

ご覧いただきありがとうございました。サポートしてくれた方のメッセージ読ませてもらっています。洗車のプロである僕が「何を見ていて」「それをどう判断し」「行動に移すのか」、YOUTUBE動画では解説し切れない頭の中のことをアウトプットすることで皆さんの参考になればウレシイです。