表面的な関係
表面を触れ続けるのは優しくて気持ちがいい。何故だかわからないけど、風は吹けばいつでも頬を撫でるし私はチャプチャプとプールの水の表面張力の張り付きを手のひらに感じながら楽しんでいる。触れることは優しいことですか?いつ来るか分からない大波が君の綺麗な時間を連れ去っていく時、隣に誰がいるんだろう、そんなことを考えたことがありますか。足をつけるのは怖い。僕たちは深い深い場所に行くことを怖がって近寄らないで、抱き締めないで、君の温度を知らずに分かったようなフリをするよ。沈んだ砂を掴めるだけ掴んで溢れてしまった、指と指の隙間から、ポトポト溢れて、僕たち、どうしようもない。体が浸水していくのを見送る。君は黄色の花束になって地平線よりも向こうに流れてまたいつかこの場所に。