あんまり覚えてないや
ミスチル13枚目のアルバム「HOME」に収録されているこの曲、個人的にミスチルの中で1番好きな曲である。
日によって1番好きな曲は変わるけど今日はそんな気分。
最初のほうは日常のアレコレ(恋人とのセックスや曲作り)のことが歌われていて聴いていると
「セックスの事忘れちゃうなんてもったいねぇ」
なんて陰キャ的な感想しか浮かんでこないんだけど、後半の歌詞でバルバル泣いてしまう。
”じいちゃんになったお父さん ばあちゃんになったお母さん
歩くスピードはトボトボと
だけど覚えてるんだ 若かった日の二人を
あぁ きっと忘れない
キャッチボールをしたり 海で泳いだり
アルバムにだって貼り付けてあるんだもの
ちゃんと覚えてるんだ ちゃんと覚えてるんだ
ちゃんと覚えてるんだ こんなに
ドライブに出かけたり お小遣いをくれたり
たまに口喧嘩したり すぐに仲直りしたり
ちゃんと覚えてるんだ ちゃんと覚えてるんだ
ちゃんと覚えてるんだ こんなに”
日常の些細な物事は忘れてしまっても家族との大切な思い出はいつになっても覚えているというのが、エモエモである。確かにセックスも思いついたメロディも別にあんまり覚えてなくてもいいけど、家族との思い出はちゃんと覚えていたいものだなぁとしみじみ感じてしまう曲である。
初めてこの曲を聴いたのは中学3年生くらいの時でよくわからんなぁと思っていた。だけど社会人になって親元を離れ、たまに親の顔を見る度に「老けたなぁ」とか「背が縮んできた?」と思うようになった時にこの曲を聴くと
「あぁ、こういうことを歌っていたんだ」
と帰りの電車で寝たふりをしながら泣いてしまう。それは私もこの曲の主人公のように若かった頃の二人を知っているし、いろいろな場所に連れて行ってくれたり、喧嘩したり、一緒に笑ったりしたことをちゃんと覚えているからなのかなぁと感じた。家族との思い出は例え何十年経っても忘れたくないし、覚えていたい。
最後にタイトルについて。
「あんまり覚えてないや」なのに伝えたいことはちゃんと覚えていることじゃんと疑問に思ったことがある。 詳しくは知らないが「HOME」は「あえていうまでもないこと」や「日常」をテーマにしているそう。だからこそこの曲のタイトルは「あんまり覚えてないや」なのかと納得した。ここでもし「ちゃんと覚えている」とかそこら辺のタイトルだったら、内容と矛盾しちゃうもんね。でも家族との事は覚えている。収録されている14曲はあんまり覚えてないこと。だから「HOME」というアルバムの最後がこの曲なのかなと思う。ちょっと上手く言語化できていないし、私の感性がずれているのかもしれないけれど。
親が生きているうちにたくさん親孝行したいし、もっと会話をしておこう
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?