エソラ

メロディはポップなのになぜか泣きそうになる曲。ミスチル15枚目のアルバム「SUPERMARKET FANTASY」に収録されている。他にも色々なベストに収録されているし、ライブでもめちゃ盛り上がる曲である。

個人的にエソラは二番からの歌詞が真骨頂だと思う。なので二番だけピックアップして書こう。いや、でもこの曲はめっさ好きなので全部感じたことを書いてしまう。

一番が恋愛パートだ。無意識にリズムを刻んでしまったり、君がどんな顔をして音楽を聴いていたのかを気になっているあたり、完全にこの曲の主人公は恋をしている。だが、曲が始まってすぐ自分の事を「二足歩行している空っぽの生き物」と表していて、サビで「明日へ羽ばたくために 過去から這い出す為に」とあることから、一度手ひどく失恋をして新しい恋を迎えたばかりなのかなと思った。

そして二番。最初の「天気予報によれば~星空を信じて出かけよう」という箇所。この曲の主人公は雨に濡れぬ場所を探すという、どこかマイナスで控えめな行動をとるのではない。晴れることを期待し、前向きに物事を捉えて生きている。また、その後「心さえ乾いていなければ、どんな景色も宝石に変わる」と綴られている。確かにその通りだと思った。捉え方次第で生きやすさは変わってくるし、仕事も勉強も恋愛も楽しめるモノだ。主人公はこの恋は上手くいきそうにないけれど、それでも楽しもうとしている。

そして、「やがて音楽は鳴り止むとわかっていて」とサビに続く。ここから音楽が鳴り止む時は恋が終わるときであると思う。主人公もそれをわかっていて「忘れないために 記憶から消すために」新しいステップを踏む。終わってしまった恋を忘れたくもないけど記憶から消したいという気持ちはとても分かる。

ラストのサビ。「めぐり逢う度に サヨナラ告げる度に」。完全に恋である。「輝きを撒き散らしては僕らに夢を見せる」。青春かよ。

と、ここまでの考えは十代の頃に抱いたモノである。タイトルの「エソラ」について考えてみるとまた泣けてくるのだ。


「エソラ」は絵空事から来ているとどこかの何かで読んだような気がするし、私もそう思う。絵空事のイメージとしては他人から笑われてしまう夢・叶うはずもない夢などのイメージがある。そんなイメージをしながらこの曲を聴いてみる。

「二足歩行している空っぽの生き物 無意識にリズム刻んでいる」 自分には夢がないと思い込んでいるだけ。

「君が話してたの あそこのフレーズだろう?まるで僕らのための歌のようだ」 夢やそれにまつわる話はしていて高揚する気持ち。

「天気予報によれば夕方からの降水確率は上がっている でも雨に濡れぬ場所を探すより 星空を信じて出かけよう」 他人からの嘲笑。でも星空を信じて出かけていく主人公。泣ける。

そんな他人からのやっかみも心が前向きでいられるならどんな状況でも楽しめる。

「やがて音楽は鳴り止むと分かっていて それでも僕らは今日を踊り続けてる」 夢はいつか破れるとしても諦めないという決意。

「さぁ踊ろうよ ボリュームをもっと上げるんだ」 絵空事を大声で言い続けろ=夢のボリュームをもっと大きくしちゃおう。

といった感じで音楽とともに夢を追ってきた人の物語であるように思える。それに、夢追う人へエールを送っているようにも思える。なぜ音楽とともにと思ったかというと、度々出てくる「Oh Rock me baby tonight」である。説明も言語化もできないがこの詞を聴いた時にそう感じたのである。また、「ボリュームを上げる」というのが音楽のボリューム(音量)と夢のボリューム(大きさ)がダブルミーニングになってるような気がしなくもない。


私もこの曲の主人公のように、星空を信じることを大切にして過ごそう。


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