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新卒で約10年間勤めた会社を退職した

初任給をもらって家族に焼肉をおごったのが約10年前。
いまの会社を退職し、転職することにした。
辞めたてほやほやで正直頭の中がとっ散らかっているが、忘れないうちに今の気持ちを文章に残しておきたい。

◾️今感じていること


今の会社で短くない時間を過ごしたし、かつ涙腺がガバガバな人間なので、辞める時は寂しさや何か込み上げるものがあるだろうと思っていたが、全く無かった。気持ちの良いくらい清々しい心境は自分でも結構意外だった。不思議だ。ふわふわしている。


◾️職場環境のこと


こう「清々しい」と書くと余程やばい会社に勤めていたと思われるかもしれないが、ブラックとかではないし職場の同僚たちは本当に最高だった。
コロナ以前はよく集まってわいわい飲んだり、メンバーの誰かが結婚するとなればみんなで全力でお祝いの出し物をしたり、学生を終えてからもこんなに気のおけるコミュニティがあるとは思ってもおらず、ずいぶん精神的にも救われ居心地が良かった。
仕事のできるかっこいい先輩もおり、人間関係の悩みはゼロだった。現在はリモートワークがメインだが、たまに出社すればお腹を抱えて笑いながら業務やランチなんて日もたくさんあった。
残業もまぁまぁあった。(月に20h〜多い時で40h程)年収は決して多くはないが、部屋を借りて奨学金を返済しながら娯楽や旅行も程々に楽しめたりと生活には困らなかった。
担当している売上と利益は、時代の追い風もあり過去最高を記録した。ひとまず有終の美で終われたことも、清々しさたる所以だろう。やりきった感はある。

◾️休職したこと

休職歴がある。入社4年目の冬から半年以上出勤できなかった。
セクハラやパワハラ等ではなく、身内のごたごたが主な理由で(これについてはめちゃくちゃ脱線してしまうので省くが)、毎日死にたいと本気で思っていたため就業するエネルギーがなかった。
復職を決意することと、実際に現場に身体が慣れるまでにはかなり精神力と体力を使った。
ありがたいことに、復帰に向けてサポートしてくれた人、受け入れてくれた配属先、見守ってくれたあたたかい環境が揃っていたからこそ、復職が叶ったのだった。最終出社日、当時の上司に退職の挨拶をした時には「あの状態からよくここまで…」とお言葉を頂き、お互い涙声になってしまった。あの時は職場の人も家族も友人も病院の先生も近所の美容師さんもみんなみんな支えてくれて、人生で一番つらくて泣いたが、人生で一番感謝して泣いた。

◾️退職に思い至ったきっかけ


最初に退職を考えたのは前述の休職期間だった。復職するか、退職して転職するかの間でだいぶ揺れた。後者の方が精神的難易度のハードルが低かったが、その当時はまだ若手の部類であったし、何も成果と呼べる実績も、大した肩書きもなく、転職するには武器不足だと考えて復職の道を選択するしかなかった。この時に「自分には何もないのだな」という無力感を浴びた。
そんなところから復職して時間も経ち、そこそこ経験も積み、気が付けば中堅層の仲間入りをし、管理職に就く同期も出てきた。「もっと自分に力をつけたいな」と思うようになった。
職場は人間関係が全てだと思うけれど(実際、人間関係が良かったので行動を起こす決心がなかなか持てなかった)、この人達と縁が切れる訳ではないし、いつか困り事があった時に何か力になれるものを持っていた方が良いに決まってる。残念なことに、何か将来役立つスキルや知識が磨かれる業務内容かと言えばそうとは言い難い環境だったので、自身の成長材料にならないというのが転職を決意した一番の理由だと思う。「お金が稼げれば良い」と思って長年働いていた人間だったから、この理由で退職に至ったことには自分が一番びっくりしている。

◾️いま転職すべきか


コロナ禍で転職活動を控えている人も多いと思うが、たまたま私はこの状況の中で転職を決意し、おそらく通常よりもライバルが少ない戦局で運良く内定を頂けてとてもラッキーだった。最終面接以外の選考過程は全てウェブで済んだのもありがたい。

コロナが猛威を振るうこの状況で人と思うように会えなかったり、コミュニケーションの機会が減ってしまったことは悲しいが、それでも私が私の人生について一度冷静になるには良い時間だった。いままでを振り返り、自分が何を大事にして何を考えて何に感動するのかを知り、今後の道標もふんわりできた。新しい会社は、興味のあるIT関連の企業だ。

動きたいと思ったらその時が動きどきなのだと思う。今回の決断には一切後悔がない。
自分の将来は、人生は、私のものだ。誰にも決めさせるな。
一度しかないならば、自分の人生に対してぐらい、我が儘でいい。そう考えている。

現在は1ヶ月以上もある有給休暇を絶賛消化している。読みたかった本を読み、ダンスと筋トレをし、昨日は1日のうちに映画館で銀魂とコナンをはしごするという念願の贅沢もした。今から創作もやりたいし、OKになったら旅行も行きたい。
私はパートナーもおらず子供もいないが、いま最高に自分の人生を満喫していると思うし、新しい職場も(若干の不安は勿論あるけれど)今までの会社では体験できなかったようなことがあるかと思うと、とても楽しみだ。

転職先できっと苦労するだろうし、へこたれる時もあるだろうから、そういう時またここにきて自分で読み返す。
ひとまず、(これまたありがたいことに)退職に際し沢山のお菓子と素敵なお茶を頂いたので、舌鼓を打ってゆっくり過ごすことにする。お疲れさま。

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