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こんなに可愛いかったっけ

上野のトーハク(東京国立博物館)に行った。

私が好きなのは東洋館だけど、今回印象に残ったのは本館の埴輪。埴輪の表情が何とも言えなくほっこりする。

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あれ、埴輪ってこんなにかわいかったっけ。

偉い人のお墓に置かれる埴輪が、このような表情をしているとは。今ではちょっと考えにくいのではないかと思う。偉い人の前では真剣な表情をしていなければならない感じがするし、死に際しては神妙な面持ちでなければ許されない感じがする。しかも、上の埴輪は武人を模したものと考えられている。武人とは結びつかない優し気な表情に驚く。

そう考えると、昔の人は表情が豊かだったのだろうか。というよりも、一人ひとりの表情にまで「あるべき」が侵入してはいなかったのかなと勝手に想像してしまう。少なくとも、こんなにも朗らかで無防備な表情をしている人に今あまり出会わない。

そもそも人と会えていないから、みんながどんな表情をするのかも忘れそう。だからこそ、埴輪の表情の豊かさにほっこりしたのだろう。


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