転職の鍵は『やり切ること』と『型に従うこと』:28歳の私が学んだこと
28歳のとき、私はビール会社でのルートセールスから、リクルートエージェントへの転職を決意しました。しかし、有形商材から無形商材へと扱う商材が変わる転職は、想像以上に難しく、最初の2年間は成果が出ずに悩む日々が続きました。転職を後悔することもあり、苦しい時期でした。
転職後の難しさ:有形から無形商材へ
ビール会社でのルートセールスでは、営業の主役は商品であり、私は商品を売るサポート役でした。しかし、リクルートエージェントでは自分自身を売り込む必要があり、商品ではなく「営業自体が商材」であるかのように振る舞わなければなりませんでした。この変化に戸惑い、最初の2年は苦労が続きました。
さらに、無形商材の営業は、消費財メーカーと異なり、「仕込み」と「収穫」のバランスを取ることが求められます。時間の使い方が非常に難しかったのです。私は収穫期に集中しすぎて新しい案件を準備する「仕込み」に時間を割けず、案件が枯渇することが度々ありました。
ビール会社での「やり切る」経験が救いに
そんな中で私を救ってくれたのは、ビール会社での経験でした。私は転職する前に「やり切った」という感覚を持つまで、転職はしないと決めていました。リクルートエージェントへの転職を考えた時も、半年間「やり切る」ことを目標にして転職に臨んだのです。
その結果、最終的に目標としていた「無理だと言われたゴール」を達成することができました。「どうせ辞めるなら全力でやり切ってから辞めよう」という思いが、転職後の厳しい状況にも耐えるための力となったのです。
辞める前に「やり切ること」で得られる成長
ビール会社での最後の期間、私は自分でも驚くほどの成長を遂げました。大手スーパーでのワインのカテゴリーリーダーを他社から奪い、別のバイヤーからは「佐藤君は俺が育てたる!」と信頼を得ました。「どうせ辞めるなら」という思いで取り組んだ結果、信じられないような成果を上げることができたのです。
この経験を通じて、私は「やり切る」ことの重要性を学びました。環境を変える前に、今いる場所で全力を尽くすことで、その後のステップでもっと強くなれるのだと感じました。
成果を出すためには「型に従うこと」が重要
リクルートエージェントに転職してからも、この「やり切る」姿勢を貫こうとしましたが、そこで気づいたのは「型に従うこと」の大切さです。転職当初、先輩の言う通りに行動することで成果は上がりましたが、半年経つと自分のスタイルを出そうとしてしまったのです。しかし、達成を継続していない段階で自分のやり方を取り入れると、成果が思うように出なくなりました。
そこで私は「ハイ達成」が続くまで、先輩や上司の教えを一言一句真似ることに戻しました。その結果、ようやく成果が出始めました。この時、私は学びました。まずは他者の教えに従い、確立された型に沿って行動することが重要であり、それから初めて自分らしさを加える余地が生まれるのだと。日本の「守破離」の教えのように、「守」の段階をしっかりとこなすことが大切です。
転職を考えているあなたへ
もし、今転職を考えている方がいるなら、まずは今の職場で全力を尽くすことをお勧めします。そうしないと、転職後にうまくいかなかった場合、「昔はよかった」と過去の世界で生きることになりかねません。
「どうせ辞めるんだから」という気持ちで今の仕事に取り組むことで、思わぬ成果が得られ、やり切ったという経験が次の挑戦への力になります。
そして、転職後には、まずは成功している先輩の型に従うことに専念してみてください。自分らしさを発揮するのは、その後で良いのです。
逃げの転職は成果が出ないだけでなく、その後の状況をますます厳しくします。私自身の経験から、まずは今の職場で「やり切る」こと、そして転職後には「型に従うこと」が大切だということを、皆さんに伝えたいと思います。
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