『 黒 』

暗闇の水面に一滴の思いが落ちて波紋が広がった。何故か?分からないけど、ずっと小さなモヤモヤが、ある日、一つにまとまり静かに滑り落ち静かに広がった。

無意識なのか?自覚していたのか?辛い思いが一瞬で自分の全身、頭の先から手や足先まで全て広がり、あまりの辛さに、うずくまってしまった。

滴が落ちるまでは辛い事は小さな嬉しい事で上書きをし自分の中で消えたと思っていたけど実は消えていなかった事に気づいてしまった。

本当は一生死ぬまで、その思いに気づかないように注意して生きて行くのが自分の中で毎日、精一杯だった。そのため長い年月、将来の希望なんて考える余裕も無かった。

でも…そんな自分でも抵抗をして助けを求めたり惨めな姿で、まわりに助けを求めたりした事も有った。…しかし時すでに遅し…誰も手が出せないほど自我を捨て我慢をし続けてしまい、どうにもならない状態に今、自分は生きているらしい。

自分1人で片付ける以外、方法が無いらしく、やっと助けを求め叫んだが自分の親しい人達からは『もう他人が手を出せないほど、ややこしい事態になっている。』と言われ途方に暮れた。

それでも時間は進み自分なりに現状は牛歩のように一応、進めている。…しかし、まわりからは何も進展していないと見なされてしまう。

確かに自然と続きを繋げて行くだけなら自分にも出来たかも知れない。しかし生まれた時から、マイナスの生活環境をプラスの生活環境に変えるのは本当に難しい。

確かに人生の時間には期限が有る。牛歩のように進むのは進歩していないのと本当に同じなのか?まわりの声に影響されながら自答尋問し今も、ギリギリの精神状態の中で生きている。