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(Book)✨おっさん社会が生きづらい

私は学生時代ジェンダーについて勉強していました。
大学院時代は男性学という男性に特化した性のイシューを取り上げ、男性も生きづらいんだぞ〜って論文を執筆しました。

さてさて、そんなときからずっと気になってた小島慶子さんの対談形式著書「おっさん社会が生きづらい」です。


清田隆之「おっさん的コミュニケーションの手放し方」

1人目の対談相手は清田さんという恋バナ収集ユニット桃山商事の代表です。
彼の話すおっさんマインドについての話はとても面白かったです。

僕らは恋バナ収集、ユニットを名乗り、女性から恋愛話を聞くのがメイン活動なんですけど、それを初見の男性に説明すると必ずと言っていいほど聞かれるのが「女の人からモテたいだけでしょ?」「ぶっちゃけ何人とセックスした?」というものです。

30ページより引用

男性は常に「男らしさ」すなわち「男性性」にとらわれています。
その一つに性欲の主体性というものがあります。ちなみに女性は性欲の客体性ですね。本書では侵襲(挿入)する男性と侵襲される女性と対比されています。

だからこそ、男性は女性の身体について勝手に評価したりしながら
下ネタを話すことを是とする生き方を進め
自分の身体について評価される(男根が小さいとかセックスが下手とか)のを恐れるという矛盾を抱えています。

清田氏によると、この風潮は中学生ぐらいの時から内面化されており
おっさん武装という言葉で表現をしています。

まあなんというか、男性の生き方って性欲と切り離せないなと思います。ほんとに。
これって種の本能に近いんですかね、確かに男性から性欲を切り離してパーフェクト倫理マンになったら人口は減少しそうです。

ある程度のリビドーを肯定しつつも、それを発露する必要がないことを認識することが大事なんじゃないかなあ。モテに対する拘泥も強い人ほど男らしさに対し欲望的だと思う。


多賀太「なぜ日本では女も男も生きづらいのか」

男性学の研究の第一任者である多賀太さんも対談に参加されています。推し研究者。

男性学とは男性が男性を人間の標準ではなく女性とは違った意味で特殊な性を生きているジェンダー化された存在と捉え直して研究する学問であるということです女性を写し肌にするだけで彼女達から見たのりたちって結構変などというところから出発するんです。

59ページより引用

ジェンダー学っていうのは、女性が社会の主流から追い出された歴史的背景から女性についての研究が主流でした。
女として生きていくことは社会的に作られたものだという意見ですね。
そうすると二項対立的に男として生まれたからには、競争に勝って稼ぎ気になることが宿命だという男性の生き方も定義されているという認識から、男性学は発展していきました。


対談形式で話は進んでいきます。女子力とか色々言われる世の中ですが、おっさん力ももしかしてあるかもしれません。どちらもネガティブですね。

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