感化されてしまった者

キングダムという大人気漫画がある

中国の春秋戦国時代、
秦の始皇帝が中華を統一するまでの時代を背景に
主人公の信という少年が「奴隷」から「天下の大将軍」を目指すいきさつを描いた漫画だ。

2年くらい前から読み始めたが、
話が面白いだけでなくキャラも個性があって
とても好きだ。

そんなキングダムだが、最近妻が読み始めた。

妻も僕と同様にとても面白い、と感想を述べ
夫婦でキングダムの話で盛り上がった。

だが、妻はハマりすぎてしまい、おかしなことになっているのだ。

ある日の仕事終わり、
いつも通り家に帰ると妻の様子がおかしかった。

「ただいまー」

と家のドアを開けると、
台所に立つ妻からこんな言葉が返ってきた。

「ココココ、ご飯ができていますよぉ。」

え。。。？

え。。。？(困惑)

あぁ、そうか。
王騎将軍か。

王騎将軍とは、
キングダムで主人公が「天下の大将軍」を目指す上で目標となる人物。

大変魅力的なキャラクターなのだが
ちょっとオカマっぽい口癖のセリフが多い。

困惑しながらも食卓について一緒に食べ始めた。

しかし僕はキングダムの世界にどっぷりと浸かりキャラに徹底している彼女の姿に感心した。

「んふぅ、お味の方はどうですか。童信」

と、聞かれたが僕は信ではない。

しかし、言い返すの野暮かと思い

「ハ、おいしゅうございます。さすが殿です。」
と返した。

なかなかにカオスな食卓だったが、
楽しい食事時間を過ごせた。

王騎将軍は主人公だけでなく、妻の今後の指針にもなってくれたのかもしれない。

完