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音楽的な嗜好の変遷(後編)

前編↓

中編↓

かつてはアコースティックギターを片手にフォーキーな曲ばかり弾いていたシンジ少年は、やがて成人して、ひょんなことからバンドサウンドの虜になってしまいます。演奏する方はロック系に偏り(ゴスペルのライブではアコギを弾いてたけど)、聴く方ではロックだけでなく、フュージョンやビッグバンドジャズやラテンなど、とにかくバンド系に偏っていました。

しかし、ある時

転機が訪れます。

別の趣味としてガンバ大阪を応援していたのですが、スタジアムで試合前にグダグダと喋っているとサポーター友達の女子が話しかけてきました。

「シンジさん、音楽やってるんだよね?観て欲しいアーティストがいるんだけど」

ちゃんとは覚えてないけど、こんな感じで話しかけられた気がします。

詳しく聴いてみると、その子がめちゃくちゃファンになってるグループがいるんだけど、そのグループが音楽的な知識がある人から見たらどれくらい良いのか、客観的なチェックをしてみたい、らしい。

自分としても興味があったので快諾して、次の土曜日に心斎橋のアップルストアでインストアライブをするので、待ち合わせて行ってみました。

時間になり、ライブスペースに出てきたのはアコギを持った男性と手ぶらの男性の2人組。

え!?バンドちゃうの!?

勝手にワタシがバンドだと思い込んでただけで、そういえばその子はバンドとは一言も言ってなかったな(苦笑)

そのユニットはラムジという名前の二人組で、山下祐樹(Vo.)井上慎二郎(Co.Gt.)でした。ちなみに井上慎二郎さんは反町隆史のポイズンの作曲者です。


心の中でワタシは

「えー?アコギだけなん?なんか地味やなぁ…」

と少々がっかりしてました。でも、せっかく来たんだから見ていかなきゃな〜、と半分仕方なしな気持ちでスタートを待ってました。

時間になり、慎二郎さんがギターを弾き始めたら

「あれ?なんかグルーヴがあっていいかも…」

と即座に反応し、イントロを終えて山ちゃんが歌い始めると

「うおー!めちゃくちゃ歌上手ぇー!ええ声ー!」

正直、びっくりしました。もう一曲目でファンになりました。アコギ一本でもこれだけの表現ができるんやぁ〜。

要するにアレです。今までの自分は

井の中の蛙大海知らず

まさにコレ。

自分の価値観でいろんなことを決めつけて、思い込みだけで物事を選んでただけ。そして、アコギを弾く方の練習を自分がサボりまくってただけ。ただそれだけ。アコギ一本でもしっかりリズムキープして、聴かせるツボさえ押さえればナンボでもカッコよくなるんです。地味とか思ってるのは無知の極みでした。

もちろん、その後はラムジのライブスケジュールを常にチェックして、関西でライブがあれば駆けつけてました。

今まではライブに行くといったらミスチルや布袋寅泰さんが出演するようなデカいホールにばかり行ってたけど、ラムジは心斎橋ルイードやSOMAみたいな距離の近いハコでライブをしてたので、近い距離で見て自分の音楽の参考にもなるし、本当にハマりました。渋谷O−Crestでのワンマンではオープニングアクト的なイベントでラムジの曲を歌ったりもしたなぁ〜(笑)


で、ある時

仕事終わりにラムジのライブへ向かっている時、少し到着が遅れるので友達にメールしたところ

「19時からスタートのはずなんだけど、18時45分から誰かが歌うみたいだよ」

『へ?そんなのチケットに書いてたっけ?誰が歌うの?』

「わかんない」

『了解!とにかく急ぐねー』


誰が出るんだろう?と思いつつダッシュして、到着したのが18時55分。

中に入ってみると歌っていたのは

海老沢タケヲでした。

声が良くて、ギターが上手い!なんじゃこの人は!?

結局、最後の一曲だけしか聴けなかったけど、その一曲で充分なくらいのインパクトがありました。ラムジは歌とギターの分担みたいなところがあったけど、エビちゃんは全部一人でやる!みたいなところも凄かったw

その日を境に追いかけるアーティストが一人増えたのは言うまでもありませんw

実は、その後いろんな紆余曲折を経て、ワタシは海老沢タケヲのスタッフになり、行動を共にすることになりました。今から思えばホントにラッキーだったなぁ。近くで音作りとか曲作りの話が聞けたのでめちゃくちゃ勉強になりましたよ。そのうち、エビちゃんだけでなく色んなアーティストのお手伝いをしました。

エビちゃんのワンマンで鍵盤サポートに入ったのをきっかけに仲良くなった

レイルステレオ

ワタシは鍵盤は全然弾けないけど、レイルステレオの音の繊細さや、楽曲の計算高さはほんとに凄いと思います。


小玉哲也

いつどうやって仲良くなったのか、全く思い出せないんだけどwてっちゃんのセンスはホントにやばいです。ある種の天才だと思ってます、マジで。



そして、ある時 友達が「もともと一緒に行くはずだった友達が行けなくなったから、観にこない?」と誘われて

『ラジオとかでよく曲は聴くけど、そういえば生で観たこと無いなぁ。。。』

という理由でなんばハッチに観に行ったのが

広沢タダシ

初めて生で聴いたときの衝撃は今でも忘れられません。ライブはバンドも交えてて、バンドとしてのサウンドもめちゃカッコ良かったんだけど、何よりも衝撃だったのが、この曲

声とギター1本でここまで凄い表現ができるのか…、と感動というより唖然としました。

てか、その後また色々とあって、今では広沢さんのスタッフをやらせていただいてるんですけどねw世の中わからないもんですねぇw


そういうわけで、フォークから音楽に入って、バンド一辺倒になり、価値観が偏ってしまったワタシは

結局、凄い弾き語りアーティストたちとの出会いにより、最近は「ギター1本で堂々と披露できるようになりたい」という場所に着地しております。でも、以前と違うのは

バンドサウンドにはバンドサウンドの良さがあり、ギター1本、鍵盤一台の弾き語りでもバンドサウンドに負けないカッコよさがあり、全ては普段からの練習の積み重ねやいろんな音楽を聴いて引き出しを増やすという姿勢次第でダサくもなるしカッコよくなる。

との思いの上で音楽をやってます。我ながら成長したもんだ。

なので

最近はいろんなジャンルを聴いて、それぞれのジャンルの良いところを少しでも吸収しようとしてますね。どのジャンルでもトップレベルの演奏者のライブからは勉強できることがたくさんあります!

最近は三味線とかプログレとかにもハマったなぁ。あと、ラテンとか。ジプシーキングスが今更ながらかっこいいと思えてます。


皆さんもそれぞれの音楽ライフを過ごされていると思いますが、一つのジャンルに拘らずに様々なジャンルをつまみ食いしていたら思いもよらない収穫があると思いますよ♪


というわけで「音楽的嗜好の変遷」でした!


ではまた!


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