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僕らの「ぞうきん革命」:小学校のサプライチェーンが進化する時

革命前夜

昔から小学校の風景といえば、子供たちが一生懸命教室を掃除する様子。そこには必ずといっていいほど、彼らの手元には自宅から持ってきた「ぞうきん」が存在します。しかし、その風景には一つ、大きな問題が潜んでいました。それは、「ぞうきん供給」という重要な問題です。

毎年度の始め、各児童は家庭からぞうきんを持ってきていました。「ぞうきん革命」の勃発以前、ぞうきんのサプライチェーンは、まさに「百花繚乱」の世界でした。各家庭がそれぞれの方法でぞうきんを準備し、各児童がそれを年度始めに学校に持ってきていました。この方法は、ぞうきんにまつわる様々なアイデアや工夫を生み出す一方で、それぞれの家庭に一定の手間を強いるものでした。

保護者たちは、ぞうきんの材料を選び、サイズを計算し、必要に応じて縫製し、そして新学期の始まりとともに子供たちにそれを渡すという一連のプロセスを経ていました。家庭ごとのニーズと能力により、それぞれのぞうきんは大きな個性を持っていましたが、その反面、準備に関するコストと手間も大きく、全体としての効率性には欠けていました。

「丁寧な生活」の敗北

時代が進むにつれて、商業主義に敗れる家庭が増えてきました。その中でも、全国に数多くの店舗を展開し、価格の手頃さと品揃えの豊富さから多くの家庭の信頼を得ている大手スーパーマーケット、イオンが小学校からのアクセスの利便性もありぞうきん購入のメインストリームとなっていました。110円で買えるぞうきんを購入に行くのに必要な時間は時給換算で110円を超えるという矛盾をはらみながら。その時間すら捻出できない場合や日曜の夜にお子様からお手紙を出された保護者の中にはAmazon Primeのマークが付いた高級ぞうきんをポチってしまうものもおりました。いや、うちのことか。

そして、「ぞうきん迷宮」の難問は、そこだけではありませんでした。それがいつ来るかわからない、学校からの「ぞうきん提出のお願い」。このお願いは、大抵の場合、年度始め、つまり、家庭が新学期の準備で忙しい時期に突然やってくるのです。2年生以上のご家庭でもうっかり忘れていると大変ですが、皆さん、1年生のころは覚えていますか?新学期の準備というのはまるで戦場。教科書の整理、通学ルートの確認、学用品の購入と、やることは山ほど。そんな中、突如として舞い込んでくる「ぞうきん提出のお願い」。それはまるで、既にパンパンの風船に更に空気を吹き込むようなもの。この突然のお願いに対応するために、保護者たちは全力で「ぞうきん狩り」に奔走します。みんなイオンに買いに行くから売り切れます。家事、仕事、そして何より子どもの世話と、既に忙しい日々がさらに忙しくなります。まるで砂漠を走る一頭のラクダが、背中の荷物を増やされたかのよう。

ぞうきん革命

しかし、「ぞうきん革命」が起こると、この全体の流れが大きく変わりました。PTA会費を使って学校側が清掃用のぞうきんをまとめて購入し、児童一人に2枚配布するという新システムが導入されたのです。

この変革により、ぞうきんのサプライチェーンは一気に集約され、効率化されました。家庭での手間や材料選び、サイズ決定などの作業が全て排除され、代わりに全ての児童が均一のぞうきんを使用することで、運用の容易さとコスト効率が大きく向上しました。また、手仕事をする丁寧な暮らしを諦めた者達にとっては購入に関わる手間が一掃されました。これにより、ぞうきんのサプライチェーンは、一つの統一されたルートをたどることとなり、その結果、全体としての効率性が飛躍的に向上したのです。

そして「歴史」に、、、

教育現場は手間をかけた仕事を評価しがちで、その結果、全体的な効率を無視した無理な労働、いわゆるブラックに陥りがちです。しかし、我々の「ぞうきん革命」は、そんな不健全な風潮に一石を投じました。労働の合理化と時間の有効活用が行われたことで、教育現場が新たな明るい未来に向けて一歩を踏み出したのです。この改革は、一言で言えば「素晴らしい」です。全児童に2023年を歴史が代わった年として記憶して欲しい。そう、これがまさに「ぞうきん革命」、まさに「小さな一歩、大きな飛躍」なのです。

以上、今日のポエムでした。

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