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崖の上から飛び降りながら、飛行機をつくる

LinkedInの創業者、リード・ホフマンが語った有名な言葉。

スタートアップとは、崖の上からから飛び降りながら、飛行機をつくるようなものだ。

「SHIBUYA CITY FC」初年度となった2021年、本当に色んなことがあった。noteに書けないことの方が多いけれど、一言で表すとタイトルのような1年間だったと思う。

年の瀬ということもあり、僕個人の視点からこの1年間を振り返ってみたいと思う。

SHIBUYA CITY FC
渋谷からJリーグを目指すサッカークラブ。2021年はJ1リーグから数えて "J7" に相当する東京都社会人サッカーリーグ1部に所属。
「Football for good」のビジョンの下、渋谷の街全体をスタジアムに見立てたコンテンツを創出。2020シーズンまでTOKYO CITY F.C. として活動。
書き手:酒井 翼
SHIBUYA CITY FCを運営する株式会社PLAYNEW 取締役 / セールスディレクター。大学では早稲田大学でスポーツマネジメントを学びつつJリーグや関係企業での業務に従事し、TOKYO CITY F.C.(後のSHIBUYA CITY FC)立ち上げに参画。卒業後は動画マーケティング企業・株式会社LOCUSで2年間営業として働いたのち、2019年、法人化に合わせてフルタイム第一号としてTOKYO CITY F.C.を運営する株式会社PLAYNEWにジョイン。パートナーセールスをメインにしつつ、時々クリエイティブを作ったり、社用車のハイエースを運転したり。基本的に何でも屋。94世代。

遥か昔に感じる1年前

2020年12月13日、僕らはTOKYO CITY F.C.として東京都社会人サッカーリーグ2部を優勝し、東京都社会人サッカーリーグ1部への昇格を決めた。

そして、その翌日にSHIBUYA CITY FCとしての新しいエンブレムやユニフォームを発表、クラウドファンディングも実施し、僭越ながらごく一部のサッカーファンの間では認知していただけるようになったと思う(SHIBUYA CITY FCへの改称は2020年11月11日に発表)。

素直に振り返ると、たった1年前のことのはずなのに遥か昔のことのように感じられる。体感的には10年近く昔の出来事。語弊を恐れずに言うと、自分たちが「TOKYO CITY F.C.」だったことすら忘れかけてしまう。

そのぐらいこの1年間は濃かったし、「SHIBUYA CITY FC」として活動、振る舞いをしていたのだと思う。

1年間の変化

実際、1年間での分かりやすい変化としてはこんなトピックスがあった。

①大手企業をはじめ100社超えのパートナー / スポンサー

SHIBUYA CITY FCになって一番分かりやすかった大きな変化が、特に東急さん、伊藤園さんといった渋谷区の大手企業からのスポンサードだ。

普通に考えて、"J7"に相当するサッカークラブに大手企業がスポンサードするのは有り得ないことだと思う。

それでも、特に東急さんについては法人化した2019年から少しずつ関係値を作らせていただき、多くの方々のご協力もありSHIBUYA CITY FC初年度で施式に契約させていただくことになった。

また東急さんだけでなく多くの企業様にもSHIBUYA CITY FCのパートナー/スポンサーとして参画いただいた。現在、その数は160社(個人含む)に登る。

160社のうち約7〜8割が渋谷の企業、その経営者ということもあり、SHIBUYA CITY FCに改称したことで渋谷の方々に応援いただけるようになった、分かりやすい一例となったと思う。

②社会人クラブからプロクラブへの移行

チームに関して言うと、これまで平日夜フットサルコート練習+土日フルコート練習・試合で活動していたところを、平日午前フルコート練習+土日フルコート練習・試合に切り替えた。
(正確には平日夜フットサルコートも含めたハイブリッドを試したが上手くいかず、途中から平日午前のみに切り替えた)

つまり、今まではほぼ純粋な社会人チームだったところを、よりクラブとして成長していくためにプロ化路線に舵を切った。

サッカーチームが、あるいはサッカー選手個人が成長していくためには、やはりフルコートでの練習はマストだし、思い切ってこのタイミングで変化を起こすことになった。

昨シーズンまでの主力が残った上に、新たな監督と共に大卒選手やJリーグなど上位カテゴリーで活躍していた選手たちも加入し、チームの環境や雰囲気も大きく変化した。

③満員御礼の渋谷区内初ホームゲーム

クラブを立ち上げて7年、少しずつ応援の輪が広がっている実感はあったが、それを一番強く実感したのが4月18日に行った渋谷区スポーツセンターでのホームゲームだった。

東京でサッカーチーム運営をされている方は良くご存知だと思うが、特に東京23区内の人工芝サッカーグラウンドは常に空きがない。そのため、東京都リーグの試合なのに埼玉県や神奈川県、さらには茨城県で行うことも日常茶飯事だ。

都内のアクセスが良い場所で試合を行うには、奇跡的にグラウンド予約の抽選が当たるか、自治体・サッカー協会・施設管理者などのご協力のもと特別に枠を使わせていただくしかない。

僕らの場合、法人化から2年間で累計300回近いホームタウン活動を行ってきたことなども評価され、渋谷区サッカー協会にご協力いただき、さらに渋谷区後援のもと、晴れて後者のパターンで試合をさせていただくことになった。

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その結果、コロナ禍(この時はまん延防止等重点措置期間)で300名という上限がありながらも事前予約制の観戦フォームは即日埋まり、満員御礼でこの歴史的な日を迎えることができた。

試合こそ引き分けだったが、大人から子どもまで渋谷のあらゆる人々が一喜一憂する姿を見て、自分はこの光景を創るためにサッカークラブをやってきたことを実感した1日だった。

④SHIBUYA CITYトークンの反響

渋谷区スポーツセンターでのホームゲームと同時期、少しずつ熱を帯びはじめていたのが、FiNANCiE(フィナンシェ)を通じて発行していた「SHIBUYA CITY トークン」だった。

詳細は下記のnoteを見ていただければと思うが、トークン単価が2.2円だったところが一時900円まで跳ね上がり、3,000名ほどの方々がフィナンシェ内のSHIBUYA CITY FCコミュニティに入っていただくことになった。

価格変動要素の読みづらさやボラティリティの高さなど、未だに試行錯誤しながら運営しているが、渋谷らしく常に新しいチャレンジをし続け、スタンダードを作っていくという僕らのスタンスが一つ形になった事例だったと思う。

一方で、トークンホルダーの方々に対してまだまだ返せる価値は大いにあるとも思っているので、改めて2022年のチャレンジにしていきたい。

⑤ハチ公前での巨大広告

東急さんに多大なるご協力をいただき、渋谷駅ハチ公口付近の仮囲いにSHIBUYA CITY FCの巨大広告を掲出させていただいた。

もちろん、日本で随一の広告価値が高い場所で露出できたからと言って自分たちが凄くなった訳でもなんでもないが、渋谷をフィールドに戦わせてもらっていることへの誇りを強く実感するとともに、その反響の大きさから見られ方も変わった出来事だったと思う。

⑥組織体制の変更

上記のようなさまざまな変化もありながら、この1年間は上手く行かないことも多かった。

チームは今年も昇格を目指して戦ったが、急激にプロ化を志向する中でさまざまな歪みも生じ、リーグ戦の結果は18チーム中7位

昇格するにはリーグ戦で3位以内に入り、関東リーグ昇格トーナメント(関東社会人サッカー大会)で決勝に進み、さらに関東リーグ2部の下位チームとの入れ替え戦に勝利する必要があったが、最初のステップで姿を消すことになった。

また、事業や取り組み、そしてステークホルダーが多様化する中でさまざまな課題も生まれ、スピード感を持って運営していくために代表が交代し、GMと監督はクラブを去ることになった。

前半は能動的に大きな変化を起こしたことによるポジティブな側面も多かったが、後半になってその歪みや痛みが形となって現れてきたと思う。見方を変えると、僕らはまだ飛行機を形にする力がなかった。

感謝を胸に、手を動かし続ける。

2021シーズンの読後感は「悔しさ」がほとんどだ。

それは、純粋なサッカーチームとしての結果に対してというより、クラブ全体、組織全体に対して自分が大して貢献できなかったという不甲斐なさから来る感情だ。

地に足をつけ、違和感があれば必ず口にする。そしてお互いにリスペクトを持ったコミュニケーションを取って一緒に改善していく。

自分の能力不足で出来なかったこともあるし、「あの時こうしておけば良かった」と思うことはいくらでもある。

一方で、「感謝」の気持ちも特に強くなった。

まだ何者でもない僕らに対してサポート・応援してくださる多くのパートナー/スポンサー企業様、ファン・サポーター・トークンホルダーの方々、地域の方々。

様々な人生の選択肢がある中で、僕らを選んでプレーしてくれている選手、サポートしてくれているチームスタッフ、外部パートナー、プロボノメンバー、インターン生、役員メンバー。

これだけ多くの人がいて初めて成り立つクラブだし、必ず全員が誇れる歴史を創れるように、感謝の気持ちを持って手を動かし続けたい。

幸い、クラブはすでに前を向いて走り始めているし、今後発表できるであろうポジティブなニュースや動きも沢山ある。

必ず笑って1年を終えられるよう、フルスロットルの状態で2022年を迎えたい。

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追伸

今後の個人的なテーマの一つは、新しく代表になった翔さんを男にすること。

ツイートを見ればなんとなく分かると思うが、人に愛されるという類まれな才能がある一方、「大丈夫か」と思う部分もある(具体的なエピソードは割愛)。

けどチームがチームである意味は、お互いの長所を最大限生かして、組織としての成果を最大化すること。

そうである以上、この憎めない代表の愛され力を最大限発揮することがクラブの成果も最大化されると思っているし、そのために出来ることは何でもしていきたい。

==CM==

SHIBUYA CITY FCでは、新たなパートナー/スポンサーを随時募集しています!
少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひこちらから資料をご覧いただくか、僕に直接ご連絡ください!(Twitter / Facebook / メール問わず)
※メールアドレス:tsubasa_sakai@scfc.jp

また、来シーズンともに戦ってくれる選手も当然募集中ですので、興味を持ってくれた方はホームページから経歴やポジション、意気込みなどとともにご連絡ください。


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