認知度が低いスポーツに関与し続けるなら「GIVE」し続けるための3つの準備が必要
こんにちは、佐藤奨(さとうつとむ)です。
スポーツ業界で働く人たちの、給与や待遇の話がSNSで話題になったので、それに感化され、私も記事を書くことにしました。
私が関与しているスポーツは、まだ認知度が低いスポーツです。
話題になったのは、超ざっくり伝えますと、サッカーなど、メジャーなスポーツであっても、待遇は十分ではないという話でした。
私が主に関与するスポーツは、認知度が低くサッカーや、野球などのプロリーグも存在しないので、そうしたスポーツに関与して得られた実体験を基に、思ったことを記事にしていきます。
内容に入る前に、あらかじめ伝えさせてもらいますが、私は、あまり聞こえのいい話は書けませんでした。そして、劇的に収益化を達成できるような魔法が使えない分野だと私は思っています。踏まえた上で、読み進めてもらえると幸いです。
音楽アーティストの路上ライブ活動に似ている
認知度が低いスポーツ(またはチームやクラブ)にてコミットするにも、そこから定期的な給与をつくることは並大抵のことではできません。なぜなら、まだ価値に替えられるものが少なく、活動のほとんどで「GIVE」をする覚悟がなくてはならないからです。音楽アーティストの路上ライブ活動に似ています。
(これは感覚値で言えば、プロリーグであっても、JリーグのトップカテゴリであるJ1ではなく、J2以下のカテゴリにいる大手資本ではない独立型クラブ、Bリーグのほとんどのチームにも当てはまる考え方かもしれません)
それでも「収益化」する方法がある、との声もあると思いますが、実際にやってきた私からすれば、それは言うのは簡単で、実際に当事者になってそれをやると、その難易度の高さに驚くのでは、と思ってます。活動のほとんどで「GIVE」を覚悟していなければ、耐えられないと思います。
その意味で、音楽アーティストの「出口」として、確かに収益化した人気アーティスト(人やグループ)は存在するかもしれませんが、実際には、そこに到達できずに、苦労している大多数が存在している現実があるのを忘れてはなりません。全員が十分な稼ぎになる世界じゃない、との比喩で音楽アーティストを用いました。
「価値」はあるが「お金」に”換金化”しやすいものが少ない
上記に書いた、”価値に替えられるものが少なく”、というのは、そこに価値がないとの意味ではなく、「価値」はあるけれど、それを「お金」に”換金化”しやすいものが少ないのです。お金にしやすい指標なり、コンテンツがあるなら、そこまで苦労はしないはずです。持ち駒が圧倒的に少ないのです。テレビ放送もない。ファン数の分母も少ない。だからどうするのか?
「GIVE」し続けるための3つの準備とは
だからどうするのか?の答えは、「GIVE」を覚悟しろとの話ではなく、3つの軸があります。
1つ目は、ほぼ収入源に繋がらない「路上ライブ」を続ける覚悟。
2つ目は、「路上ライブ」を続けられる環境を準備すること。
3つ目は、成長に従って対応する体制づくり。
この3つ。このどれも必須です。
これらに対応するため、私がやってきた解決策は、時間的に自由に動ける「自分」を用意したこと。私は、自分の会社を持ち、そこからコンサル業務などで、短時間で収益を得て、動きやすい時間をつくり「路上ライブ」活動ができる環境を用意。2つの「自分」で、片方で稼ぎ、片方で「GIVE」してきました。
これは、多くの人にとって、すぐ導入できる体制(環境)ではないとは思います。でも「GIVE」できる環境を用意するには、私はスキルが必要と思います。よっぽどお金面で太いパトロンがいる環境なら、自分が稼ぐ必要がないので、片方の稼ぐ自分はいらないかと思いますが、私の場合はそうはいきませんので、この体制(「自分」で、片方で稼ぎ、片方で「GIVE」)にしました。(なかなか真似がしにくいマッチョな考え方かもです..)
ここで用いる「GIVE」とは Take & Give の「GIVE」です。GIVEだと、上から目線に感じるかもしれないですが、そこに”関わりたい”と思ったのは自分であり、実際にその活動が「GIVE」になっているかどうかは、成果が決めることです。ここでは、便宜上、分かりやすいTake & Giveで表現させてもらいました。
「収益化」する方法があるとは言うが...
うまく行った事例、歴史のある大きなスポーツなどの「成功例」を取り出して..
1. 認知度が低かろうが、価値はあり「収益化」する方法がある。
という外部の人の話と..
2. そこの中に、実際に自分が入り、そこから安定的に稼ぎを得られる環境を用意する。
実際には、この2つに「ギャップ」があります。
このギャップに、キチンと正面から向き合わないと、ただ、頭でっかちになったり、その境遇を評論するだけで終わっちゃうと思います。言うは易く行うは難し。なのです。こればっかりは。。
成長に従って対応する体制とは、収益で「利益」が出せるのであれば、会社役員であれば(年に1回程度なら、役員含めた自分たちの判断で)自分の給与を上げられます。
収益化した成功例はあるにはあるが..
これは、先ほど取り上げた例え、音楽アーティストならば、「出口」として、確かに収益化した人気アーティスト(人やグループ)は存在しますし、徐々にスターダムに駆け上がったアーティストも居るので、その成功したアーティストを取り上げて、駆け出しの頃こんなことをしていた、レコード会社とこういう組み方をした、等々、知識は得られるかもしれないけれど、いい面だけが”目立つ”バイアスも多分に含まれているでしょう。
音楽アーティストを例に出せば、自分が主体者となって、当事者としてスターダムに駆け上がることと、外部の、こうすればうまくいく的な話には、ギャップがある意味が伝わりますかね。笑
さて、ここまで現実的な話をしてしまいましたが、上記に取り上げた「GIVE」し続けるための3つの準備について、それぞれ掘り下げて書きます。
「GIVE」し続けるための3つの準備を掘り下げる
1つ目は、ほぼ収入源に繋がらない「路上ライブ」を続ける覚悟。
これは、すぐ「成果」に繋がりにくい覚悟とも言えるでしょうし、企業からの与えられた環境とは異なり、ゼロからやっていく覚悟。ある意味、ミジンコ並のプライドに自分を下げてでもやる覚悟が必要でしょう。言い過ぎか..
これは、何者でもない自分を受け入れるか。まぁ、名刺を交換しても、相手側に全く知られてない企業にいる自分。
例えば、スポンサー獲得を狙ってお邪魔した企業での打ち合わせで
「え、それって五輪種目だったのですか、知りませんでした。」
だとか
「へぇ、そういうスポーツあったのですか、すごいですねぇ。」(棒読み)
ということを言われても、ニコニコ楽しく、その競技の魅力や価値を伝道できる気合い(メンタル)とでもいいましょう。笑
扱いが低かろうが、鋼の心を持って、やさしく跳ね返し、魅力を伝えてやりましょう。笑
2つ目は、「路上ライブ」を続けられる環境を準備すること。
続けられる環境を用意する、とは、主に「GIVE」し続けるための「時間」の確保のことです。
私の場合は(私の真似をしろとは言いませんが)週1日か2日の短時間で稼ぎ、その他の、週5日か6日を「GIVE」し続ける活動に充てていました。そこの「GIVE」する活動の方からは、丸3年くらい給与なしの生活でした。
売上を上げても、運営する施設の維持費用、活動を広げるための費用に全額を充てていました。MCさんに依頼するなら費用も使いますし、ショーに出演してもらう選手がいれば依頼費用を払いましたし、大会をやるなら、大会の運用費用に充てました。でも、自分には「TAKE」する余力がつくれるほどの売上まではつくれなかったのです。
それは、「TAKE」よりも「維持」の比重が高く、「TAKE」よりも「未来の投資」に繋がることを期待しての決断でもありました。
全員に、これをやれとはいいませんし、GIVEし続けた一例として理解してもらえれば結構です。(これは、武勇伝でもなんでもなく、事実です。他にもっと早く短期間で「収益化」できる人がいるかもしれないです。ただ、私の場合はそうだった、そうなってしまった?との例です。)
どうであれ、大事なのは「時間的なコミット」が求められると考えています。知識は身を助くのですが、それに関与する自分の時間的コミットの方が圧倒的に必要でした。
主に時間がかかるのは、あらゆる「調整業務」なので、何かを成し遂げるには、時間的な労力を切っても切り離せないのです。また同じこと言いますが、言うは易く行うは難し、で、何か立ち上げる、当事者として運用まで行うと、多大な時間が掛かるのです。。近道は存在しないと思います。(むしろ、そんな近道があるならば教えて。。)
3つ目は、成長に従って対応する体制づくり。
2つ目に取り上げた通り、GIVEの方の週5日以上コミットする活動から、3年間無収入でした。関与しはじめてから3年間給与が取れなかったのです。
過去の話ですが、普通に考えたらブラックですよね。これを、もし社員に強いるようなら、その会社は許されない存在だと思います。それはダメです。絶対。
でも、認知度が低いスポーツでは、何も「収益」がないところからスタートすることに等しいです。
じゃあ、どうするのか。答えは自分が「成果がすべて」の立場になることです。言い換えれば、「GIVE」し続けるための会社をつくり、その会社の会社役員なれ。または個人事業主になれ。です。成果がすべての立場なら、ブラックじゃありませんからね。(←これがマッチョと思うポイントですが..)
「成果がすべて」の立場に身を置き、裁量を持てる立場をつくり、成果を追求しきれる環境を、自ら用意することです。簡単に言えば、自分裁量の力で「商売」をしようとの話で、売って利益でなきゃ、すべて自分の責任。そうした体制を自分で準備しよう、とのことです。
そして、収益が上がっていけば、先ほどの例の、2つの「自分」の、片方で稼ぎ、片方で「GIVE」のバランスも、自分で組み立て、成長に沿って対応できる環境にしていくのです。
(運営施設をどう収益化したのか、どのような収益のパッケージをつくったのか、どうスポンサーを獲得したのか等は、本テーマから離れるので触れません)
「成果がすべて」の立場を用意し自分の「裁量」で成果を
社員やアルバイトとしての関与では、上記のような3年間無給での仕事はブラックになります。社員やアルバイトなど、自分が雇用者側としてその待遇は絶対にダメです。
自分が魅力を感じている分野で、どうしても成果を出したいなら、文字通り、音楽アーティストと同じように「成果がすべて」の立場になって、ちゃんと収益が上がればリターンがある立場でやるべきと考えています。
むしろ、時給とか最低賃金など、しっかりとした給与が欲しいならば、会社員の方が良いでしょう。会社員感覚なら、まだ認知度が低く、収益が出てないコンテンツ領域の仕事を、コミットしてやるべきではありません。そこの違いと、それに向かう覚悟は必要でしょう。どこでやるのか。環境は選べますからね。
厳しいことを言うようですが、認知度の低いスポーツでコミットする在り方は、こうした「GIVE」の精神が求められるのが現実と思っています。
ただし、もし、自分が「GIVE」でも、周りにも「GIVE」を強いるようならよくありません。イベント当日や、収益に繋がる仕事(業務)なら、アルバイト代は出すべきだし、選手に関わるなら、出演料も支払いするべきです。雇用や対価を求めた「依頼」では、お金面もしっかりGIVE(支払う)べきです。
ぜひ、周りにはお金を「GIVE」できるように成果を出せるとかっこいいとは思います。(というか早く、成果を出して自分にもTAKEできるようにしましょうね)
これも繰り返しですが、全員に、これをやれとはいいません。認知度が低かろうが、魅力を感じたスポーツを、なんとしてでも形にしていきたい。そう思い続けた私が、活動を維持していくために「GIVE」し続けた、あくまでも一例として理解してもらえれば結構です。
以上が、認知度が低いスポーツに関与し続けるなら「GIVE」し続けるための3つの準備が必要の記事でした。
お読みいただきありがとうございます!これからも情報配信していきます。