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ナイトくんワーク《本の紹介》

ふとした場面で緊張してしまい、それが溜まって身体のあちこちがこわばっている。こわばっているのは身体だけでなく、感情やその表出もそうで、ロボットのように何だかぎこちない。…ところがある。

『わたしが「わたし」を助けに行こう 自分を救う心理学』という本を、読んでいる。

子どもの頃に自分が傷つきそうになった経験を元にして、わたしたちはそこから身を護るために、その時にできる最大限の自己防衛方法を、心の中で編み出す。それがブロックとなったり防衛的な心の反応として、大人になってからの毎日の生きづらさを生み出していたりする。だから、そこに働きかけましょう、というもの。

いわゆるインナーチャイルドを癒そう、という本なのだけれど、今まで目にした文章の中で、一番分かりやすかった。

この本では、そうした子どもの頃に身に付けた心の癖を、親しみをこめて「ナイトくん」と呼んでいる。ナイトくんは、わたしたちを守るために生み出されて、人知れず、誰にも認められることなく、わたしたちを助けようと、いつでも休みなく、わたしたちに寄り添っていてくれた。――ただ、その方法が不器用な子どものままで、それが大人になった今の現実とそぐわなくなっている。

だから、まずはどうしてナイトくんが生まれて、何をがんばっているか・がんばっているそのことを止めたらどうなるのかを聴いてあげる。そのうえで、大人になった自分がもっとうまく対処できることを伝えて、感謝の気持ちを伝える。自己統合の道のりが、過去の自分を含めた自己理解を進めながら、温かく示されているように感じている。

ナイトくんは一人ではなく、いろいろな場面に対応できるように生まれていて、苦労に直面したことの多い、特に子ども時代を送った人ほど、多くのナイトくんに囲まれているという。そして、彼らは感情が高ぶったときに身体に違和感を感じる部分に、存在しているらしい。

どうしようもない緊張達の思いもよらない正体が、もしかしたらわかるかもしれない、と自分の内側を見ようと努めている。折々、そうすると涙を流すことも多々ある。

長らく疎遠だった自分の中の無意識の人格との対話は、一足飛びには行かない。時間がかかりそうだけれど、過去の自分を思い遣りながら、少しずつ覗いていきたいな、と思っている。


昨日の続きでした。

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