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【散文詩】ねむりひめの覚醒

その子 生まれながらにして恩寵高らかにして
十五の年ごろを迎えせば
あまたのかみ こぞって彼女の手糸車の針で刺ししめ
その身 死の床へ横たへけり

数多の精霊 かいなつきあわせ
永遠の眠りのまどいつくりくる

真意 やすやすとははかられず
眠り姫はけふもまどろむ


その子へ 歳 かさねさせ給へ
その子へ 歳 かさねさせ給へ

いのち結び給へ
たて糸 よこ糸 綾を成し
幸福と恍惚のなかに個を織らせた給へ

その子ら 子々孫々に
モネとルノワールの庭園を
駆け回らせ給へ

あちらもこちらもばら色の頬に
生命の笑み 讃えさせ給へ

令和三年九月六日

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