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年寄りからのイジメ

両親の離婚が成立したところで私の生活が変わるわけではない。
相変わらず祖母の家から学校へ通う。
父は店が終わると
「おやすみ~」
と言って、おねぇさんと自分達のマンションへ帰って行く。
複雑な気持ちだった。
そして祖母の私に対する愛情は、いっしょに暮す様になったことで急速に無くなっていった。
しかもそれをあおる人物が実は居たのだ。
それは老人だった。
祖母の叔父の嫁だったらしいその老人は近所で1人暮らしをしており、週に4~5日は昼間から夕飯の後まで祖母の家の居間を占領していた。
その老人は子供が大嫌いだった。
夕飯の時、私が食べたおかずの数を数えていて
「アンタっ○個目だよ!食べ過ぎだよ!」
と言う。
思わず箸を引っ込める。
「ご馳走様…」
と自分の部屋へ戻る私の背中に聞こえる会話…
「本当に憎たらしい子だねぇ」
こんな状態だから不貞腐れた態度になる。
不貞腐れた態度だから憎たらしいと言われる。
どうにもならない悪循環だった。
そして大人が子供に言ってはならない言葉の数々を祖母は私に言う様になっていく。
引っ越しでオモチャを全て捨てられてしまい、ミーコに去られた私は自分の部屋にいても何もやる事が無かった。
残念ながら勉強が嫌いな子供だったので。
テレビの歌番組が大好きだったが居間では子供嫌いの老人が時代劇三昧である。
仕方なく叔父の部屋でテレビを見ていると
「タケシのベットに乗るんじゃないよ!掛け布団に乗っちゃいけないってアンタは母親から教わってないのかい!!」
【教わってないです…】
「タケシの布団がシワになるよ!アンタの母親が良く言ってたよ!アンタの事憎たらしいってね」
黙って聞いてる程、気弱では無かった。
可愛がられる事を諦めてからは…
「憎たらしくて結構だよっ!!」
バタンっ!とドアを閉めた。
そんな騒ぎを聞きつけて父が
「なんだ?どうした?」
と店から顔を出すと必ず私が怒られた。
「おばぁちゃんに謝れ」
何回も悔しくて泣いた。
父は1度も私の味方には、なってくれなかった。
そして小5…
遂に父の口から恐れていた言葉を聞く事になる…

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