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夷隅の山姥
夷隅の山姥 夷隅のむかし話
昔、乳飲み子を背負った旅の女が夷隅町の弥生の谷で倒れた。それを救ったのは、山姥であった。
山姥はこの谷に住み、白髪の長く伸びた髪は粗末な身なりから、人々には石を投げた。
しかし、山姥は、心優しく、この女も助けて、一晩中寝ずに世話をした。
だが、旅で疲れていたせいか、女は亡くなった。
山姥はその子を育てた。童子は成長し、力の強く、立派に育った。
その様を見た人々は弥生の谷を姥が谷、童子がよくいるあたりを童子谷と呼んだ。
現在でもいすみ市深谷に字童子谷として残る。
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