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石川野乃花の喫茶オールドクロップ(2023.10.17)

盛況のうちに終わった定期公演の余韻残る週末。
押上に、月に一度のコンセプトカフェ的な何かが出現。
週末のハロウィンイベントを控え、待合スペースにも蝙蝠が出現。

年末でアイドルとしての活動を終了する朝日ゆきの(paslil')がお手伝いと言う事も有ってか、盛況。

朝日ゆきのが伝票を持って客席を回り、注文を取る。
早飲み込みだが、おおらか。 まじめだが、せっかち。

常に前のめり


料理や飲み物の持ち運びも実に危ういのだけれど、落としたりこぼしたりはしない。
ただ、どこへ持って行く途中だったのかは、しばしば忘れる。
当人は至って真面目であり、危うさとの落差に「おかしみ」が生まれ、人として愛されている理由が、立ち居振る舞いからも見て取れる。

今月のお品書き

ソフトドリンクは、
石川野乃花が挽いて淹れるコーヒー
鹿児島のほうじ茶
どちらもアイスとホットが選べる。

ブレンドコーヒーは「石川野乃花が遠くで淹れたもの」
ひとりじめコーヒーは「石川野乃花が目の前で淹れたもの」
お値段以上の付加価値。

今月の焼酎は芋の一刻者と、黒糖の喜界島。
今月は、もう1種類、梅酒があった。
ライチのような香りの芋焼酎「だいやめ」で知られる濵田酒造の「梅薫」。
(現在は廃番になっているようだ。)
焼酎も梅酒も、ストレート、ロック、お湯割り、ソーダ割り etc... お好みで。

私は梅酒を、ロックで舐めながら。

れんこんのチーズきんぴら

れんこんのチーズきんぴらは、縦に(繊維と平行に)大き目に刻んだれんこんをにんにくで香り付けした油(※おそらく)で炒めて粉チーズを絡めたもの。
私が作ると「ニンニク」「黒コショウ」「塩」多めの、ビールを流し込むための味付けにしてしまうと思うが、石川は抑制的に、れんこんそのものを味わう塩加減。

鶏飯

鶏飯は、奄美の郷土料理。
農水省サイト

によると、スープをかけてだし茶漬け風にして食べるようになったのは昭和になってからで、それ以前は炊き込みご飯だったようだ。

青菜と玉子焼き、干し椎茸、鶏むね肉をほぐしたものを白いご飯の上に並べ、刻み海苔を散らしてから、鶏と椎茸のスープをかけていただく。
具を載せたご飯を朝日ゆきのが配膳し、石川野乃花が土瓶に入れただしをかけて回る趣向。
鶏のイノシン酸と干し椎茸のグアニル酸の相乗効果で滋味あふれるだしの掛かった鶏飯のうまさたるや。
追加注文が続々入り、あっという間売り切れ。

だしだけ


焼酎を「だし割り」にしたいと「だしだけ」を所望する客もぞろぞろ。
(旨いのは判るが、悪酔いするので私は好まない)

具の椎茸は甘くしてしまう事が多いのだけれど、石川は椎茸は甘くせず、卵焼きを甘くする味付け。
これで全体のバランスが良くなっていた。
私は干し椎茸をあまり好んでは食べて来なったのだけれど、それは得てして甘く味付けたものとして目の前に出されていたからであり、程の良い味付けにさえなっていれば美味しく食べられる。
今回もひとつ、よい気付きを得られた。

コーヒーは、豆をいつもの二倍くらい使った(手挽きのミルで2回分)贅沢仕様。
「酸味強めの豆を使いました」と言っていたが、飲んで食べた後の〆には丁度良い味。
勿論香り高く。

微醺のまま、心地よい秋風に吹かれて帰宅。
秋も深まり、冬も近付く来月。 さて何が食べられるだろうか。

(2023.10.28 記)

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