詩の中
目を落とすノートには、夏が踊っているんだけれど、
窓の外、目を向けたら、梅雨。
厳然とそびえ立つ六甲の山に、希薄な雲がのしかかる、梅雨。
快晴に眩しさを感じたのは随分と前で、
入道雲のかけらは、沖縄の空で見たっきり。
反射する、光輝な陽光もさえぎられて久しくて、
蝉の音より、雨が散じる音が舞う。
だけれど、
じめっぽい夜と、からから音がする夜のコントラスト。
アスファルトに落ちる黒斑と、刺さるほどくっきりとした、
木々とビルの影のコントラスト。
案外、夏に想いを馳せるのは、梅雨の情景あればこそなのかもしれません。
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