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落ち着かない喫茶店

そこそこの年齢になると、誰でも、馴染みの喫茶店があるモノだ。
もちろん、ボクにも、ある。

でも…
そこは…

味は普通。そして、ぬるいコーヒー…
料理も冷めてる。
かと思えば、アイスコーヒーは氷が溶け切って、薄い…
定員さんはいつもせわしなく、特に愛想が良いわけではない。

そのくせ、高級ホテル並みの値段。

いつも、ガチャガチャとした店内…

それなのに…
何故か、いつも、混んでいる。


うららかな風が気持ちいい午後のひととき…

ボクは、いつもの窓際の席から、
慌ただしく動く、外の人を眺めていた。


(そんなに急いでどうするんだろう…)


ボクだけではない。

みんな、外の人たちを見ている。
何か、答えを求めるかの様に…

ここには、仕事をしてる人なんて誰もいない。


ただ、
ただ、
眺めてるだけ…


ただ、
ただ、
時間だけが過ぎていく…


「あっという間」に…


そう、
この喫茶店の中では、10倍の早さで時間が進んでいるのだ。


何か、プツリと気持ちの糸が切れ、
(もう、どうでもいいや...)
そんな気持ちに包まれてしまった時、ボクの足は勝手にこの店に向かう。


気が付くと、すでに、陽は沈んでいる。


大して美味しくもない、冷めたコーヒーを一口すすり、
店を出る。


今日も、1日が終わってしまう...

やり切った焦燥感...


急にのんびりになった、現実の人たちを目にして、ふと思う...
(もし、時間の長さが万人に平等だとしたら...
 さっきまでのボクの時間は、どこにいってしまったんだろう?)


最後までお読みいただき、ありがとうございました。 これからも、よろしくお願いしますっ!