見出し画像

ギターストローク生成MIDIエフェクト Utsbox MIDI Tool 2 が凄い件

ギターの打ち込みの難易度

僕は趣味で打ち込みDTMをやっていますが、中でもギターサウンドがすごく好きで、自作の曲にはほとんどギターサウンドを使っています。

以前から記事にもしていたように打ち込みDTMにおいてギターというのは再現が難しい鬼門なのですよ。

MIDIでベタ打ちしたままの音だとどうしても機械的なシンセの様な音になってしまい、一昔前のカラオケ音源の様なのっぺりとしたコレジャナイ感たっぷりの音になってしまいます。

昔と比べて音源のクオリティーはかなり進化しているので、お値段の張る音源などではリアリティーのある音を奏でたり、簡単な入力で説得力のある音を出してくれます。

しかし、それでも生演奏を再現するのはなかなかに難しく、根気のいる丁寧な打ち込みが要求されます。

エレキギターについては普段から愛用しているUnreal Instruments様のStandard Guitar や METAL-GTX のようなクオリティーの高い無料音源があり、その打ち込みにも少し慣れてきたのもあって、バッキングやギターソロ等の打ち込みは概ね満足できる打ち込みを楽しんでいます。

しかしながら、ギターをかき鳴らすストローク、ストラムともいいますが、なかでもアコースティックギターの再現は非常に難易度が高く、時間がかかり、根気のいる作業でした。

ギターらしい音の要素については以前に記事を書いているのでよろしければそちらもご覧下さい。

はい、上の記事でも書いている通り、何とか楽に入力したいと思い、色々なツールやスクリプトを利用してきました。
特に上の記事に書いてあるGenkhordには今でも大変お世話になっていて、コードガイドを作ったり、ギターコードを逆引きしたりするのにも便利で手放せないツールの一つです。
そもそもがギターコードに特化したソフトでは無いですし、コード進行を考えたりスケールを調べたりするのにもこれからも大活躍してくれそうです。
コード理論の勉強にも役に立つと思うので僕みたいにコード理論に疎い人にもおすすめのツールです。

スクリプトやツールを使ってそれまですべて人力で行っていた作業を随分楽にする事が出来ていましたが、それでも人力で入力しなきゃいけない所が多くて大変でした。

こんなツールを探し求めていた

無料最強アコギ音源Ample Guitar M Lite Ⅱ

有料のアコースティックギター音源などには所謂ストラムモードというのが搭載されているものがあります。

単音弾きとは異なり、複数の弦をじゃかじゃかと掻き鳴らす専用のモードです。
無料音源ではほとんど搭載している物は無く、有名な所では
Ample Guitar M Lite Ⅱがあります。
こちらの音源は使い勝手も良くて音もいいので人気になるのも納得で、無料でここまで開放してくれていること自体が凄い事なのですが、ギターの打ち込みに慣れて来るにつれ無料版の制限がきつく感じるようになります。

最もきつい制限は1弦以外は5フレット以降の音が鳴らないと言う事です。
ギターはピアノと違い同じ高さの音であっても違う場所で弾くことができる楽器で、太い弦と細い弦では同じ高さの音でも印象が大きく変わるのです。

コードによっては5フレット以降を押さえる音を含むパターンしかないものもあり、Ample Guitar M Lite Ⅱの画面上では押さえている事になっている音でも、実際は1弦以外の5フレット以降の音は鳴っていません。
なので、薄っぺらい音になってしまいます。

無料アコースティックギター音源でもKontakt用の音源などで結構いい音してるのは探せばいくつかあるのですが、ストラムモードを搭載しているタイプのは見た事がありませんね。

なので、Ample Guitar M Lite Ⅱが無料最強アコギ音源と言われているのはストラムモードの存在が結構関係していると思います。

遂に見つけてしまったツール

そこで、今回紹介するのが うつぼかずら様が開発されている
Utsbox MIDI Tool 2 
なのです。リンク先からダウンロードしてください。

こちらのツールはその名の通りギターのストロークやアルペジオの打ち込みに特化したツールで、簡単に言うと、所謂ストラムモードが無い音源にストラムモードを乗っけちゃうようなツールです。

こういうソフトがあればいいなぁと思っていたまさにそんなソフトでした。
Genkhordの開発者様にしてもそうですが、エンジニアの方々の欲しいソフトが無ければ作ってしまえばいいみたいな精神にはリスペクトしかありません。

導入するに当たっていくつか躓いた事もありましたが、マニュアルを熟読して使えるようになりました。
ギターコードを登録していくタイプのツールなので、その部分は地道に登録する必要がありますが、一度登録してしまえば何度も使いまわしができます。
しかも、大量のギターコードのフォームを登録したプリセットを配布して下さっている方がいるので、そちらを使わせて頂くとめちゃくちゃ助かります。マニアックなコード以外はこのプリセットだけで対応出来ちゃいます。
以下のリンクからダウンロードしてください。
惑星P様のUtsbox MIDI Tool2紹介ページ

惑星P様の動画です

嬉しすぎたので僕も何かを作りました


興奮冷めやらぬそのテンションで僕も動画も作りました。

自称Cakewalkのアーティキュレーションマップ作るおじさんの僕は今回は惑星P様のプリセットに対応したマップを組みました。
コードを指定するキースイッチとページを指定するスイッチのMIDIイベントををまとめて一つのアーティキュレーションにしています。アーティキュレーションでコードを指定して、ストラムパターンはピアノロールにキースイッチを入力する形です。
ストラムパターンのキースイッチは同時にベロシティーも入力するのでアーティキュレーションにはしていません。

ファイル名の番号がそれぞれ同じ番号のついたプリセットファイルに対応したアーティキュレーションマップのファイルです。

実はこの5つのファイル、中身はほぼ同じでコード名が違うだけなので自分用のプリセットを作った方でもコード名を書き換えるだけで流用できます。

Cakewalk専用なので需要があるか解りませんが欲しい方はどうぞ。

この記事を書いてからアップデートでコード一覧機能が追加されたので、それについての記事を書きました。
こちらも併せてご覧下さい。

個人的にお薦めの無料プラグインの紹介記事も書いています。
宜しければこちらも読んで下さい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?