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AIの台頭に思う事(2回目)

以前にも同じような記事を書きましたが、やはりというべきか遂にというべきかAI作曲にも本格的な物が出てき始めましたね。

技術は加速する

昨今ではAIの画像生成やChatGPTSongRなどと、AIに関する話題をあちこちで見かけるようになりました。

しかし、この辺の技術は最近になって急に湧いて出てきた訳では無くて、今までの技術が進化して実用レベルになってきたので話題になっているのであって、個人的にはそこまでびっくりするような事ではありませんし、この流れは今後さらに加速していく事は疑いようもありません。

賛否両論あるようですが、個人的見解ではこういった技術が発展していく事は素晴らしい事だと思いますし、実際にニーズがあるからこそ開発は進んでいくと思います。

否定的な意見があるのも分からなくもない

クリエイターの方々や僕みたいに趣味で創作をしている人間にとっても受け入れがたい側面があるのも事実です。

AI絵師の話題

少し前にSNSで話題になっていましたが、AI絵師が描いているという表現に違和感を感じるという意見に対して色々と議論があったようです。

多数派の意見が正しいとは言いませんが、描いているのでは無くて生成しているというのが多数派の認識のようです。
僕もこの認識がしっくりきますね。

勿論、AI画像を生成した経験のある人なら解ると思いますが、イメージにぴったりの画像を生成するにはコツのようなものがあり、闇雲にプロンプトを入力しても思ったような画像を出力してもらうのは難しいです。

なので、そこに技術介入的な側面がある事は事実ですが、それは検索エンジンを駆使して目的の情報を正確に素早く手に入れる方法を知っているのと同じような物と思うので、クリエイティブな技術とは少しイメージが違うと感じています。

一方で、画像で言えば、写真に関しては実際に描いている訳では無くてカメラでその瞬間を切り取っている訳ですが、そこには確かにクリエイティブな何かを感じる人が多いのではないでしょうか。

何がクリエイティブな活動で何がそうでないかの線引きは非常に曖昧で、また、個人の受け取り方にも差があるので難しいですね。

AI作曲家

AI絵師と名乗る人がいたと言う事はAI作曲家を名乗る人が居てもおかしくは無い訳で。
自動生成系のツールで作った曲を
「私が作曲しました」
と言われてしまうと、やっぱり僕は違和感を感じてしまいますね。
僕のイメージで言うとそれは
「オーダーメイドで曲を作ってもらいました」
が一番近い気がします。

自動生成した曲が悪い訳でもツールを使うこと自体が悪い訳でも無いですが、それを自身の創作物と言ってしまう事には違和感があるという話です。

実際僕は自分が作る曲のほとんどにギターサウンドを取り入れていますが、演奏では無くて、ギター音源の打ち込みです。
打ち込む際には実際に演奏しているつもりに近い感覚はあるものの、正確に言うと、自分が演奏している感覚では無くて、バーチャルなギタリストに演奏してもらっているという感覚が最も近いと思います。
理想を言うと自分で弾けた方が良いとも思っていますし、もっと言うと気に入ってくれた人が弾いてくれたら最高に嬉しいという感じです。

ニーズは確かにある

例えば、僕で言えばこのような記事のサムネイルに何かイラストを付けたいと思った場合や、自身の曲をYouTubeにアップする際に音だけでは何か寂しいのでイラストを付けた動画にしたいと思った場合に、ネットを検索してイメージに合った画像を用意するというのもあります。

そこへ、手っ取り早くAIで画像生成するといった事がもう当たり前のように選択肢の一つとなっている訳です。
実際、この記事のサムネイルもAIによる自動生成で、簡単なプロンプトで作成までに1分くらいで出来ました。
もっと色々設定を弄ればクオリティーの高い画像もできますが、僕は記事のサムネイルにそこまでのクオリティーを求めていないのでこれで十分です。

そうすると、イラストを描いている人が、自身のイラストをスライドショーのような形で動画にしたいと思った時や、ゲームを作っている人がシーンに合ったBGMが欲しいとなった時に、今までどこかのサイトで購入あるいは提供されていたものに、新たにAI生成した曲を使うという選択肢が当たり前に存在して来るようになるのも何ら不思議はありません。

AI作曲は今はまだ大したことないと思っている人へ

実際僕も興味があったのでどんなものか試してみましたが、今の所はびっくりするようなクオリティーの高い作品ができるかというと、そうでも無いような気がしましたが、技術は加速していくので、そこら辺のDTMerが苦労して時間もかけて作った作品よりもずっとクオリティーの高い楽曲がほんの数分で出来上がるなんて事が当たり前になるまでにそれほど時間はかからないんじゃないかなと思いました。
勿論、僕はそこら辺どころかド底辺なので、もう既に負けちゃってるかもしれません。

技術には善も悪も無い

では、AIで生成された楽曲には価値が無いのかと言われると、そうでは無いと思います。
それが著名な作曲家が作った楽曲であれ、誰ともわからない人が作った楽曲であれ、AIが自動生成した楽曲であれ、楽曲を聞いた時に自分が感じたことが全てであって、素晴らしいと感じたならそれは素晴らしいのだと。
現実で言うと色々なバイアスが掛かってフラットな感覚で聴くというのは難しいかもしれませんが、出来るだけフラットな感覚でいたいと願っています。

さて、個人的にこういった自動作曲の技術、大変興味深いのですが、積極的に利用するかと言われると多分しないと思います。
DTM界隈の中でもMIXやマスタリングに関してはAI技術を利用するのがもはや当たり前になってきていますが、メロディーや伴奏を考える事はその過程こそが僕が作曲という趣味で一番楽しさを感じる部分なので、そこが無くなってしまうとつまらなくなってしまうからです。

例えるならプラモデルを作る趣味で組みあがったフィギュアを与えられるようなもので、作る楽しさを奪われてしまうようなものだからです。

おわりに

新しい技術が一般化しそうになってくると、何でもかんでも批判してしまう人も居るかもしれませんが、問題は技術そのものでは無くて使う側に常にあると思っています。
使う側として自分により良い距離感などを模索しながら上手く付き合っていけたら良いなと思います。


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