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モノの価値、創作物にリスペクトを

無料音源と有料音源


僕はDTMを趣味にしています。別に隠していた訳では無いですが、ほんのつい最近までDAW含め音源からエフェクトまで、全て無料のソフトウェアで賄っておりました。
あぁ、オーディオインターフェイスを購入した時についてきたバンドルソフトや、何かのキャンペーンで有償の物を無料で貰ったりしたのも所持していたので、全てというのは少し語弊がありました。

UJAM virtual drummer heavy 2


前々から何かドラム音源が欲しいなと思っていて、BFDが何だかセールで超絶やすくなってるという情報を目にして、心揺らいでおりましたが、自分が良くやっているジャンルのハード系に強そうな UJAM virtual drummer heavy 2という音源がブラックフライデーのセールで24時間限定特価でセールしていたのでそちらを購入しました。

よくDTMは課金ゲー等と言われていますが、あながち間違いではないと思います。特に音源は作品のクオリティーに直結してくる部分でもあるので、エフェクトはDAW付属の物や無料の物で賄っても、音源はどうしても有料の物には敵わない部分があると思っています。

しかし、無料音源の中には有料音源に勝るとも劣らない品質の物もあり、僕が愛用しているギター音源の Unreal Instruments 様の METAL-GTX 等はその代表格と言えるでしょう。

METAL-GTX


僕は無料音源を検索しては試してみて、ニヤニヤするというのも一つの楽しみにしているので、お気に入りの無料音源に巡り合えた時は格別の喜びがあります。
今回は無料音源の紹介記事ではないので、列挙はしませんが、探してみれば無料音源の中にも相当クオリティーの高いものが存在します。
特に有料プラグインの機能限定版などがプラグインメーカーから配布されている場合は、機能制限や音質に制限があるものの、非常にクオリティーの高い音源が多い印象です。

反面、有料音源で、世間的に評判の良い物でも、デモを聞いた限り自分には合わないなと思ったものも結構あります。

良いものは高い、だが逆は必ずしもそうでは無い

よく、低価格帯の音源や無料音源を使用していると、馬鹿にしてくるようなマウンターがいますが、気にする必要はありません。
彼らの多くは自分が支払った額に対しての十分な恩恵を受けれていないと錯覚し、低価格帯の音源や無料音源で楽しくやっちゃってる人に対して理不尽さを感じているから許せないのです。

高額な機材や音源を使用している人でも、自身の作品に自信があったり、楽しんでおられる方はそんなくだらない事なんて気にしちゃいません。

僕は趣味でギターを少し弾くのですが、一向に上手くなる気配がありません。まぁでも、弾いてると楽しいんで、そこまで練習をストイックにしようという気が無いのですが。

使っているギターは昔中古で2万円くらいで買った所謂安物ギターですが、特にネックがそっているとか、ささくれ立っていて痛いとか、チューニングが狂いまくる事も無いですし、今の所特に不満はありません。

昔、ギブソンのお高いギターを所持したとある先輩に「お前はそんな安物のギター使ってるから上手くなんねぇんだよ」と言われたことがありますが、違います。
僕が上手くならないのは、天性の不器用さと身体的特徴と練習のベクトルの不味さと練習量の少なさと意識の低さが原因であって、お高いギターで練習したからと言って上手くなる訳ではありません。

ただ、先輩の主張の中で僕がどうしても認めざるを得ない意見があったのです。それは

覚悟が足りない

一生モノの良い楽器を購入して必死で頑張るんだという覚悟が無いから上手くならないのだと。
確かに僕にはそういう覚悟めいたものが欠落している自覚があります。

しかし、覚悟先輩は僕の知り合いの先輩達の中では一番ヘタ○○でした。
いや、僕よりは上手いけど。

昔、そこまで親しくはない知人にやたらデカデカとブランドロゴの入ったブランド物を身につけている人が居て、僕の小汚い服装を馬鹿にしてくるので尋ねたことがあるんです。

「なんでそんなにブランド物にこだわるの?」
「そりゃ、生地や加工の品質の高さに加えデザインが優れているからだよ」
「ふーん、じゃぁ、デザインや品質まで精巧に模倣されたパチモンでもいいのでは?」
「そりゃだめだよ」
「なんで?」
「……」

僕は、人の著作物を盗用する事は人としてダメだから、とかそういう答えが返ってくると思っていたのですが、彼は何も答えられませんでした。
つまりそういうことなのです。
それ以来彼は僕と口を聞いてくれなくなりました。

確かに良いものを作ろうとすると、素材やら時間やらで必然的にコストがかかって来るので高くなってしまうのは解ります。
ですが、逆に高いものが必ずしも良いものだとは思いません。
ブランドイメージとして、安くすると逆に売れなくなるという顧客心理が働く事に起因して、実際の適正価格よりも高くしているケースが大いにあり得るからです。
それとは別に、粗悪品に法外な価格設定をしているケースもあるでしょう。

いずれにしてもここで一番言いたい事は、人により物の価値は変わるもので、高額な商品を購入するならば

その物の価値を理解できて、納得できる人が買えば良い

と思います。いくら良い物でも価値が解らなければ宝の持ち腐れです。

創作物にリスペクトを


ample guitar m lite Ⅱ

さて、長々と物の価値について持論を展開してきた訳ですが、話を戻しましょう。

僕が無料音源や低価格音源を使う理由は単純に資金的な問題です。
少ない予算で出来るだけ自分のしたい事を実現するに当たって、ソフトウェアよりもハードにお金を掛ける選択をしたと言う事です。
なので、自分の出せる予算ではPCのスペックはそれなりに良いものをBTOでカスタマイズして購入しました。

そして、無料音源や低価格音源でも楽しんでDTMができています。
ただ、今まで声高らかに「無料音源で全部作りました」と言ってこなかったのは、「無料で作ったにしてはやるじゃん」と思われる事に抵抗があったというか、なんだか悔しかったのです。

大した作品を作ってる訳でも無いのに、妙なプライドだけは一丁前なので困ったものです。

素敵な音源を提供して下さっている有志の方や企業に対し、「こんなにも楽しませてもらってありがてぇ」と思って使っています。

勿論、その中には、正直微妙だなと思ったものもありますが、単にそれは僕には合わなかっただけなのです。

ソフトウェアは例えばそれが企業の宣伝目的だったとしても、それを作られたエンジニアの方がいらっしゃいます。
有志の方が好意で提供してくれているケースもあります。
僕は趣味でプログラミングをほんの少し齧った程度ですが、その大変さに触れ、改めてエンジニアの方々への尊敬の念を強く抱きました。

なので、それらはもはや単なるファイルでは無く、創作物なのです。
創作物という点においては音楽やイラスト、映像、ゲーム等と同じであり、それらを利用する時は、造り手へのリスペクトがあって然るべきだと思っています。

持たざる者の綺麗事かもしれませんが、この気持ちを忘れたくないものです。

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