悪役列伝⑨(斧 深雪)
時の流れは早いもので、もう6月ですか。2021も、もう半分に差し掛かろうという訳で。実は今年、年男な私、トマリです。
さあ、過去8回に渡り、続いた悪役列伝も残すところ、あと2回。そんな今回紹介するのは、
斧 深雪。とある教会のシスターにして、指定暴力団〈翼賛会〉の窓口となっていた人物。彼女が物語に及ぼした影響について、解説してみようと思います。
遅くなりましたが、この記事は、YouTubeにて投稿中のノベルゲーム風動画『The Biker』の内容を、作者の立場からコメントしたものです。以下の記述にはネタバレも多分に含みます。予備知識抜きに、まずは見たいという方は、下のURLからどうぞ。
(https://youtube.com/channel/UCMyqNfRWZnM5iMojClUX-gw )
①概要
彼女の物語は、EPISODE-08から本格的に動き始めます。まず01から06に至る一連の話の影に、彼女が関わっていたことが明かされたところから。
斧は命を狙われていました。新京警察署の副署長・柿崎 小満んの判断で、02にも登場した廃病院にて、犬居 仁と会い、彼に保護してもらうことになりますが。
署長の甘粕 景詩は、柿崎とは逆に斧を始末する方針でした。斧は仁から役目を引き継いだ羌 礼次に殺されかけます。
そこで突如現れた謎の人語を話す鳥。この鳥に救われる形で、斧は〈白沢フーズ〉の副社長・大石 玲という人物の下に身を寄せ、終盤、大石宅における騒動にて、再登場を果たします。
②プロフィール
斧は、EPISODE-05の時点で登場してはいました。05は他のエピソードより2年前の話となっていますが、彼女はその時点でシスターであり、そして自殺願望を抱えていました。
そも彼女は片方の足が義足で、長らく難病に苦しめられており、自殺願望の直接的な原因も、生活の困窮によるものでした。
それに加え、彼女を担当した堀川 燕夜という医師には、暴行を受けた過去があり、それ自体は斧の父親による告発で、堀川が医師免許を剥奪されるという形にて、一応は済んだものの、その父親も無惨に殺害されてしまい……
父親殺しの犯人を堀川だと知った斧は、間接的に堀川を殺害。そして、成り行きからもう1人の人物をも、その手にかけてしまうのでした。
③性格
斧は、良くも悪くも、他人に強く依存する性格と言いますか。劇中での彼女の言動は、いちいち誰かの言葉に左右されていました。
父親を殺した堀川にさえ、一定の筋を通そうとする妙な律儀さ。自分を頻繁に「バカ」と評して、自分の行動を「◯◯(人名)が言ったから」と分析しているのも、彼女の主体性のなさを象徴しているといいますか。
自分の意志ではなく、他人の為に動く。そういう意味では、無私に神の為に生きる、シスターらしいのかもしれません。
④能力
彼女は、ニセハナマオウカマキリの〈虫人〉。カマキリらしく、両腕は鎌の形をしている他、体の構造も人間ではなくカマキリのものに作り替えられています。
カマキリの鎌の表現は様々ありますが、本作では本来のカマキリに近い、刃物ではなく拘束具という解釈をしています。
他にもカマキリの能力を生かして彼女は活躍している訳ですが、詳しくは本編でどうぞ。
⑤あとがき
悪役列伝とは言うものの、彼女は善悪では中々図りにくいところにいる存在でした。単なる悲劇のヒロインというのとも、少し違いますし。一口には語りにくいキャラクターですね。
さて、次回の話をしましょうか。一応は最終回となります次の悪役は……
ギリギリまで、このカテゴリーに入れていいか悩みましたが、どのみち取り上げる予定でした彼、甘粕 景詩さんです。
という訳で、また来週、お会いしましょう。では。
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