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1.12 スキーの日

白くなった冷たい山を二本の板でスルスルと滑り降りる爽快感。

青い青い空にゴーグル越しの瞳も青く染まってゆく。

ブレーキをかければ宙に弾け飛ぶ雪の粒たち。

日焼けしそうに強い光を受けて乱反射している。

滑り降りたらリフト乗り場へ。

色とりどりのキャンディみたいなスキー服の固まりが心躍らせる。

赤や黄のリフトに乗れば目線がぐんと高くなって命綱もない状況に冒険のようで胸が高鳴る。

山は偉大だ。
大らかに人間たちを受け入れてくれる。

風を切って人波を縫って猛スピードで白い斜面を駆け下りて。

体が冷えたらホットチョコレートを飲もう。

雪山で飲むホットチョコレートは最高だ。

よく考えれば足の裏につけた板で雪の降った山を滑り降りるなんて不思議な遊びだ。

人間は遊びの天才だ。

そして面白そうなことが大好きだ。

どこでも楽しみや至福を見つけられるんだ。

青空の下のスキーは何物にも変えがたい喜びをもたらしてくれる。

1.12 スキーの日
#小説 #スキーの日 #JAM365 #日めくりノベル

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