1.25 中華まんの日
きらきら光る川を見ながら歩く。
手にはさっき買った肉まん。
温かくて、生き物のようだ。
川辺の草は茶色く枯れているけれど、根っこの方で雪解け水をたっぷり吸ってまた春に芽吹くのだろう。
カサカサとした紙を開いて、肉まんの端っこを一口分だけ出す。
急いで全部を取り出すと、湿度の低い冬の風を受けて乾いてしまっていけない。
食べる分だけを少しずつ出す。焦らない。
肉まんは他の者達と違って、てっぺんが絞られているところがかわいい。
後ろに貼りついた紙をはがすとき、出来るだけ皮がめくれないように慎重になる自分がいる。なかなかの集中力だ。
ふっくらつるりとした肉まんにかじりつくと、湯気がふぁっと宙に飛び出した。
歩きながら食べる肉まんの旨さをもって、冬の営みは完成するのだと思う。 冷たい川の水を想像して、悪い出来事はさらさらと後ろに流して、今口の中で肉汁を溢れさせるその一口に集中する。
生きているって、こういうことだと思う。
自分で自分を幸福にすることは出来る。一つの肉まんで、世界の全てが幸せに変わる。
寒風に吹かれながら、それでも川岸を歩いていく。