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優先順位づけのためのトレードオフ

こんにちは。株式会社シャペロンでプロダクトマネージャー(以下、PdM)をしている井上です。

2023年8月に PdM としてシャペロンに入社し、プロダクト開発に従事しています。前職まではtoC向けのECサイトに携わっており、現職のシャペロンのドメインである医療・製薬業界という領域についてはまだまだわからないことが多く、日々学んでおります。

この記事では、PdM としてプロダクト(ドメイン)の理解を進めながら、社内からのアイデアや気づき、お客様からいただいた要望をどう受け止め、優先付けをしているのかという点について触れられればと思います。

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どの業界にもあるかと思いますが、シャペロンのフィールドである製薬・医療業界にも特有のルール・制約が存在します。医療用医薬品は生命に関わるため「医療用医薬品が適正に使用されるために必要な情報提供が適切に実施すべき」という背景があり厳格に定められています。
シャペロンのプロダクトはそういった医療従事者とのコミュニケーションにおける、ガイドライン抵触リスク管理を行った上で、製薬企業側が効果的な活動・PDCAを回せるようサポートをしています。


お客様からの要望・意見をどうプロダクトに昇華していくか

お客様からの声

toC向けのプロダクトではユーザーからの声だけでなく、ABテストやサイト内での行動や数値を元にした仮説検証も行い、施策を繰り返しながら改善していくことが一般的だと思います。一方、toB向けでは実際の業務に組み込みまれている(もしくは組み込まれる)ため、各導入企業様から抱えられている課題に対して具体的な方法を要望としていただく機会が多くあります。シャペロンは医療・製薬業界向けのバーティカルSaaSのため、実際に機能として実装する場合には、導入いただいているお客様全体にとって一定求められる機能である必要があります。

プロダクトでの解決策とトレードオフ

「計画はしていたがまだ実装していない機能」のように、プロダクトとして「あるべき機能」に関しては、時間が経過していることで計画した時よりも解像度が高まっている場合があります。いただいた要望を検討する際にも課題に対して解決策をイメージできるため、議論も含め方向性を定めやすいかと思います。
そういったお客様の声をそのまま機能として実装する場合にも「あるべき機能」は一つではない場合が多いため、優先付けの判断ができるようペインを深堀りした上で、必要性とどうプロダクトに実装していくかをプロダクトオーナー(以下、PO)にも提案していく必要があります。

私個人の場合以下のような点を念頭に入れ、お客様に伺いながら解決すべき課題を PdM 個人だけではなく、チームにも助けを求めながら一緒に探っています。

  • 実装することで業務は効率化するのか(課題は解消されるのか)

  • 実装することで、あらたな課題は生じないか・マイナス面はなにか

  • 実装せず解決することはできないか

  • 課題になっている業務は本来必要な業務なのか(その業務自体をなくすことはできないか)

機能を実装する場合に、すべてのユーザーにとってプラスに働かない可能性があります。例えば、これまでは特定の動作のみで表示していた確認ダイアログを毎回表示する変更を行う場合、適切な情報提供を求められている医療・製薬業界の特性上、ミスの削減には貢献できますが、日々使う上ではユーザーにとってはひと手間増えてしまいます。こういった機能実装も含め、何かしら意思決定をする際にはトレードオフが発生します。PO が適切に判断できるようにするためにも、あらかじめクリアにできる部分は事前に準備をする必要があります。

PBI の工夫

こういった意思決定はどれだけ検討を重ねてもやってみないと分からない事が実際には多くあるため、シャペロンの開発ではできるだけ小さく開始し軌道修正ができるよう、機能開発の前段階(PBIの作成時点)の準備として、

  • 課題

  • 利用ユーザー

  • ユースケース

  • 優先区分(MosCow)や品質区分(狩野モデル)

といった項目を明確にすることで、検討段階でどこまでを今回のスコープに含めるのかをチームでも検討・判断できるようにすることで PO がトレードオフのポイントを理解し、優先順位づけを行えるようにしています。

PdM の関わり方としては上記を明確にするための準備や、検討段階であがった色々な意見を取り入られるよう、自身の考えや意見に固執せず、理想としてはチームや関係者が安心して前に進められるよう目指しています。

最後に

シャペロンのMission

課題になっている業務は本来必要な業務なのか」や、「本来は気にする必要がない業務」が既に業務に組み込まれてしまっている場合は、お客様自身では気がつけない(気づきづらい)課題です。
そういった課題を見つけ、プロダクトとして解決できるのではないか。という好奇心をもちながら、シャペロンのミッションである、「規制産業が抱える問題を解決する」ためにも一つひとつ丁寧に解いていく必要があると考えています。

が、やはりお客様からのご要望やその背景を伺うと、「なんとかすぐに解決したい」となってしまいますし、リソースや事業、業界の制約もあります。プロダクトとしてどうあるべきかを念頭に入れながら、PdM としてゴールに向けてフラットな判断ができる状態を作り、プロダクトと事業を前進していきたいと考えています(難しいですね…!)

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