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【メディア論】ラジオの魅力とは「ユーザーに寄り添える」こと

どうも、こんにちは。kei_tenです。

本日はメディアとしての「ラジオ」について取り上げます。

このnoteではあまりネガティブな話題は取り上げたくなかったですが、ひとつの可能性を感じた出来事として記録しておきたいと考え、書くことにしました。


■「根拠なき誹謗中傷」問題

2024年6月14日の徳力基彦さんのVoicyでこんな話題がありました。

▼星野源と新垣結衣による「根拠なき誹謗中傷の再発防止」を考える #694

ぼく自身は芸能ゴシップに疎い(関心がない)もので、この問題は殆ど知らず。

なので、「ラジオで夫婦で出演してこの問題を訴えた」と聞いた(当初はそう解釈)際、いろいろな想像が沸いてしまいました。

一般的な芸能人であれば、文章を読み上げる形式を取るだろう。
しかし、星野源さんはそういうタイプではないし、そんな温度感の番組でもない。

百聞は一見にしかず。ということで、実際にSpotifyで5月28日の放送を聞いてみることにしました。

実際にこのnoteに辿り着いた方はぜひ、この放送を聞いていただきたいです。(リスナーへ新垣結衣さんへの質問募集をする流れになっています)

それくらいいつもの星野源で、新垣結衣さんもしっかり“星野源の妻”でした。

というか、びっくりするくらい普通の夫婦ですよね。

そう感じられたのも『星野源のオールナイトニッポン』という“自分のメディア”を持っているからだと思います。

「自分のメディアだからこそ、自分(たち)らしいやり方をしよう/やり方をしたい。」という考えが、実現に結びつきやすい。

これこそがメディアの特性とも言えるのです。

■ラジオの魅力とは「ユーザーに寄り添える」こと

ちなみに、星野源さんがラジオ好きだということ、ぼくはかなり前から知っていました。

2018年まで放送されていたTBSラジオの『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』という番組で、番組ジングルをリスナーから募集していた時のことです。

「スーパースケベタイム」さんというリスナーが投稿したジングルのクオリティが高く、番組が騒然となる回がありました。

ちなみにスーパースケベタイムさんは、以前も投稿が採用されていた“ヘビーリスナー”として知られていた人物。

その正体が“星野源”だったのです。

(これはゲストとして出演した時に、番組の中で明らかになりました)

▼証拠音声はこちら

星野源さん自身が、ラジオというメディアの魅力を(受け手として)深く理解されていた方だからこそ、今回の一件での神対応ができたのかな?と個人的に感じています。

この「ラジオというメディアの魅力」とは、「隣に座って語りかけてくれるようなもの」と言えるのではないでしょうか。

ひとりで部屋で聴いたり、ドライブ中、通勤時間などシチュエーションは様々ですが、TVと違ってお茶の間でみんなで視聴するタイプではない(孤独も共にある)のがラジオです。

そして、耳からの情報に限られているからこそ、じっと耳を澄ませてその世界に入り込む。

そうやってラジオは親しむものなので、「隣に座って語りかけてくれるようなもの」というのが魅力になると考えます。

もっと端的に言うと「ユーザーと寄り添うこと」なのかもしれません。

ラジオの主役は必ずしもパーソナリティではなく、お題に応えてくれるリスナーも重要な構成スタッフです。

自身がリスナーとしてラジオに触れていたからこそ、重要な発表をあのような親近感がわくカタチで実現できたのではないでしょうか。

■“メディアの在り方”を今一度考えたい

冒頭に戻り、徳力さんのVoicyで問題提起されていたもうひとつの軸は、大手メディアの責任(矜持)についてでした。

今回の「根拠なき誹謗中傷」問題の一翼を担っていたのは、残念ながらWeb1.0時代から名を馳せていたポータルメディアでしたが、Web業界における国内大手メディアの凋落は大きな問題と言えます。

雑誌メディアや読み物系のSEOメディアは、今や記事を読んでいるのか、広告を見ているのか、判らなくなってしまいました。

この問題については佐々木俊尚さんも取り上げており、今後“メディアの在り方”は大きな議論のテーブルに載ることが予想されます。

ひと昔前までは、広告がペタペタ貼られていたり、ちょくちょくページ送りをしなければ読めない記事メディアは、何処の馬の骨かもわからず敬遠されるものでした。

しかし、どこもかしこもそうなりつつある現在の惨状は、GAFAMに代表される黒船に、国内の大手メディアが駆逐されはじめている証拠でもあるのでしょう。

収益化を図ることは企業として必然事項ですが、果たして現在のやり方が正解なのでしょうか?

ぼくも過去にWebメディアの企画・制作〜運用までを経験したことがありますが、当時から師匠だった方に話を聞くと「きちんと手間暇かけて制作・運用する」ことが重要だということは、以前から変わらないようです。

これも、別の言い方をすれば「ユーザーと寄り添うこと」と解釈できること、何となく理解できますよね。

大手メディア企業には彼らなりの大変さがあるのかもしれませんが、前半でもお伝えしたように「“自分のメディア”を持っている」という矜持こそが、問題解決のヒントになると思います。

ラジオも過去には終わりかけて、再びどころか三度(みたび)蘇ったメディアです。

なんでもかんでも無料で手に入る時代は終わりを迎えるとしても、「Webメディアの在り方」が改善していくことを願っていますし、自分自身も貢献しなければと思っています。

収益を確保しつつ、ユーザーといかに寄り添うか。
難しい課題でもあります。

今回は少々辛辣だったかもしれませんが、未来への希望は見えていますよね?

では、また!kei_tenでした。


▼Spotify Podcastで音声配信もしています。


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