読書太郎

拙いながら、本の感想や書評を書いていきたいと思います。

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最近の記事

焦燥という名の風船/『ぼくは勉強ができない』を読んで…

現状に不満はないけど、何か居心地悪い… 平穏な毎日を過ごしているのに、なぜか焦っている…  そのような「違和感」を表すものとして、人間関係の悩み、将来への不安、そして過去の後悔など、多々挙げることができると思います。そしてそれらは、中学・高校などの学生時代に、または社会の荒波に揉まれるであろう社会人の頃に経験するのではないでしょうか。  苦難やハードルを乗り越えることで、人は「成長」していくものだと思います。そして「成長」は、形を変え、「アイデンティティー」となり、自己

    • 死神って身近にいるかもよ?/『死神の精度』を読んで…

       「死神」と聞いて、何を想像するでしょうか?黒衣をまとったガイコツが大鎌を振り回し、人間の魂を奪う姿などでしょうか?その姿は十人十色で、色々な死神像を思い浮かばれることだと思います。  しかし、様々な死神像があることは確かですが、一つ、死神には「共通化された理念」というものがあるのではないでしょうか? 死神とは生命の死を司り、魂を管理する存在  伊坂幸太郎『死神の精度』は、人間に扮した死神の「千葉」を主人公にした6つの短編小説集です。この小説の世界では、調査部といわれる

    焦燥という名の風船/『ぼくは勉強ができない』を読んで…