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ネイビーブルー


まだ夜が明けない
晩秋ともなれば当然か
全ての目覚めに寄り添いたいが
そうはいかない

温かい珈琲を啜って
独唱の為に口を緩ませている
題材なら
普遍的な平和
牛乳のストックが切れて
スーパーに買いに行く事のような
取り留めない日常
肌寒さを感じて
クローゼットから長袖の羽織を取り出すような
直感的な仕草
有り触れた事を幸せと感じながら

そして今
寝室でアラームが鳴って
新聞配達のバイクが通り過ぎて
隣家のボイラー音が聞こえた
一時間経っていた
夜が明けている

温くなった珈琲の最後の一滴を胃に垂らして
独唱は「おはよう」で終わった
やはり
全てにとは肥大した妄想で
手が届く目覚めに心は凪いだ
外に出ると少し暖かかった

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