梵天勧請と「言葉」について
梵天勧請というのがある。仏教の言葉である。菩提樹の下でさとった釈迦が、その境地をたのしんで、さ~てそんじゃあとは涅槃に入るのみ…という段になって、梵天、いわゆる神様が現れてこういうのである。「どうかあなたのさとりを他の多くの人々にも授けてください」と。これを聞いた釈迦は難色を示す。釈迦のさとりとは(私はさとってないので)ざっくりいうと、縁起の道理、すなわちあらゆることがらは因縁によって生滅変化し、固定的実体というものは存在しないとか、あらゆることがらをあるがままにうけいれる