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ピアノ音源の世界がおもしろい

「世の中にピアノのサンプリング音源って結構あるのに、ぜんぜん知らないなあ」と思いまして。

ピアノのサンプリング音源と言うのはいわゆる

・電子ピアノから出る音
・打ち込みでの楽曲制作に使うパソコン内のピアノの音
・サイレントピアノのヘッドフォンから出てくる音

など弾き手にとっても調律師にとっても身近なもの。

これらは実際のピアノの音を1音ずつサンプリング(録音)して作られていて、特にパソコン用として発売されているものは「1951年製のニューヨークスタインウェイDの音」とか「ヤマハC7の音」「ベーゼンドルファーインペリアルの音」など録音元が表記されて売りにしているものも多いです。

ピアノ音源の容量がすごい

最新のピアノ音源はピアノ一台分で20GB以上もあるようです。

昔と違って高音質で全ての音をいろいろな強さで長時間収録されているからなんですが、それにしても20GBって…

逆にそうなると生ピアノの音の情報量すさまじいなとも思います。

ピアノ音源はどんどん進化していて、昔の電子ピアノに使われている音源がせいぜい数MBだった時代から、単純に容量だけで見ても相当良くなっているのがわかります。

いろんなピアノの音で遊びたい

せっかくなので最新のピアノ音源を利用してみたい。でも曲づくりをしているわけでもないので使う機会がない...

もしかして今ある電子ピアノの音源を置き換えれば、電子ピアノがさらに楽しく使えて、調律師としても勉強になるのではないかと。

我が家の電子ピアノRoland FP-7F 10年以上前のモデルです。

本当はパソコンと電子ピアノを繋ぎたいのですが、デスクトップなので離れた場所にあり断念。ipadでもある程度は同じ音源がリリースされているようなのでこちらを使うことにしました。

こんな感じで繋いで、電子ピアノを弾くとipadで開いている音源が鳴るようにしました。(電子ピアノ自体の音は鳴らない)

※電子ピアノのスピーカーから音を出したいのでハブを使っていますが、iPadのスピーカーで良いならケーブル1本で繋ぐだけでOK

ピアノ音源ならではの楽しみかたができる

手軽にいろんなピアノの音で弾けるのでかなり楽しいです。ビジュアルで見られるのも気分が上がりますね。

定番のKORGの「KORG Module」というアプリ。

アプリ内で有名ピアノ音源「Ivory」が購入できて、ニューヨークスタインウェイDの音源などが使えます。

AmDはアメリカン•スタインウェイDの略

こちらはモデリング方式のピアノ音源「Pianoteq8」

ベヒシュタインやペトロフ、グロトリアンなども選べます
アイコンがピアノの「駒」なのがニクイ。

モデリング音源ならでは、段階的に調律の狂いも再現できます

コンディションをMint→Wornにしていくと鍵盤が黄ばんでいき地獄のような音に

改めて感じた生ピアノの個性

ここまで書いた内容を急に否定することになるのですが、1台の電子ピアノの同じタッチで弾くと、音源を別のピアノに変えても生のピアノを弾き比べるほどの違いは無いなと感じます。

もちろん各ピアノ音源の音は全然違うんですが、やっぱりタッチが同じだとそこまで楽器が変わったとは感じないです。当たり前ですがやはり「タッチ」と言うのは音にとってもかなり重要な要素だということを改めて実感しました。

とは言えかなりおもしろいのでこれから掘り甲斐がありそう。1843年製のプレイエルをサンプリングしたこの電子ピアノも気になります。

サンプリング音源は狂わなくて加工がしやすい使いやすさはもちろん、あるピアノのある時期のある状態を保存しておく意味でも重要だと思います。まさにサンプリング(標本化)の意味そのものですが。

ギターでは名機といわれる個体の楽器自体をプロファイリングして、傷も含めてそっくり本体をコピー再現すると言う試みがあります(商品としてに加えて、おそらくアーカイブ化の意味合いも強い)

ピアノは本体を丸々コピーはなかなか難しいと思うので、せめて様々なピアノの音がサンプリングされてくれると、いろいろな方面でおもしろそうです。

音源のことについて、この方の動画がものすごくわかりわすかったです。

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