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ピアノ調律師同士で考えたい

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同業者の方と一緒に考えたいことや、おすすめのグッズなどを紹介しています。
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#調律師

正義感を暴走させないように気をつけたい

業界の良くないところをさらすようで恐縮なんですが、これ、お客さまにも誤解を生んでそうだなと思うので書いておきたいと思います。 調律の時にピアノの中を掃除するか?しないか?と言う問題。 ここはそれぞれの調律師の考え方がけっこう出る部分で、それ自体は当たり前だし、良いんです。 それぞれの考え方があるんですが...ピアノの内部にはホコリが溜まりやすくて、調律師によって対応は様々です。 この違いによって、たびたび良くないなと思うことが起こります。 1や2の考え方の調律師が、

専門家の見えているものとユーザーの見えているもの

ピアノの故障をお客さまに説明するときに、ピアノの内部を見てもらうことがあります。 ひとつの事象を説明するにも ・何のための部品なのか ・何の素材でできているのか ・本来はどうなっているものなのか ・今はどうなってしまっているのか ・どんな不都合があるのか ・どう直すのか ただでさえ前提条件からの説明が必要で、さらにピアノの中身は複雑なので…なるべくピンポイントに絞って説明しているつもりですが、うまく伝えられてないな〜と思うことがあります。 最近気づいた原因のひとつが、

ネジ1本を替えるか悩む

ピアノの修理につきものの、オリジナルの部品をどこまで残すか問題。 音や弾きごごちに関わるものはなるべく元々の部品を残したいところですが、壊れていたり新しくしたほうが劇的に良くなるのであればどんどん交換した方が良いと思っています。 逆に悩むのが、壊れてもいないけど新しいものにしたらほんのちょっとだけ良くなる部品です。 主にこう言った古いピアノのマイナスネジなどなんですが。 機能的にもここがマイナスネジである必要はなくて、ただその時代主流だったという理由だけなのでこの部分