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お客さまと調律師のギャップを埋めたい

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ピアノって、調律って、本当はこうなんです。 ひとことで伝えるのは難しい「ギャップ」を解消する記事をまとめました。
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#乾燥

メーカーを鵜呑みにしない方が良いこともある

お客さまにピアノに適した環境をお伝えするときは「湿度50%を目安にお願いします」と言っています。 実際にはもちろんピッタリである必要はなくて、45%でも、55%でも、年間を通して一定であれば問題ありません。それでも限度はあって、ずっと40%は低すぎですし、ずっと65%では高すぎます。また許容範囲内でも乱高下は良くないので、今日は45%だけど次の日は55%というのもピアノに負担がかかります。 なのでピアノにとっては湿度が「許容範囲内である」かつ「一定である」ことの2つが重要

「“あたりまえ”の変化」について考えてみた

「ピアノには乾燥しているほうがダメージが大きいんですよ」という話をするとたいていの方が驚かれます。 ピアノ=湿気に弱いというイメージは強いと思いますが、乾燥に弱いというのは8割くらいの方がご存じない気がします。 なので湿気対策は万全でも、乾燥対策は全くされていないピアノがたくさんあります。 現在日本にある多くのピアノは1970年代、80年代の製造で、その頃は環境が今より多湿寄りだったため、メーカーや楽器店も湿気対策は強く啓蒙していましたが、乾燥対策はあまり口うるさく伝え