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シブヤフォントの現場からダイバーシティ経営を考える。

1、ライラの視点

今まで外にあまり出ることのなかったシブヤフォントの制作の現場をライラ・カセム(一般社団法人シブヤフォント アートディレクター)が伝えている(上リンク)

つねにメンバーさん(磯村補足:福祉作業所を利用する障がいのある人)の目と手先を見ながら寄り添う職員のフット、いやハンドワークでメンバーのできることや感じることが変わる。この人はこのサイズでしか描かない、とかルーティーンがあるとか一人一人にテイラーメイドの支援をする。まさにマジシャンです。 引用:シブヤフォント制作日記

とかく企業連携など華やかな話題が多いのだが、施設利用者に徹底して"寄り添う"支援員、学生、そしてライラに見えてる景色には、今の社会に大切なことが内包されている

2、支援員とのコラボレーション

シブヤフォントの原画は、障がいのある人によって描かれているが、支援員とのキャッチボールで生まれたコミュニケーションの結果とみた方が良い。

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例えば、たまたま描かれた「1」という数字の下端に利用者が根っこのような線を描いたとする。そこに支援員が線を継ぎ足す。すると極めて自然に利用者がそこに線を継ぎ足す。それを受けて支援員が更に線を継ぎ足す。

こういうやりとりが、やがて「根っこの生えた1」(上写真)というアートになる。

これは実際に私が観たシーンなのだが、これ以外にも、画材の選定、描く対象の提示などなど、さまざまな支援という"寄り添い"が行われている。
この"寄り添う"だが、福祉の現場での特殊な世界とは思わないでほしい。

3、求められるダイバーシティ経営


高齢化、そして就労人口の減少は確実に進んでいる。今や誰しも何かしらの働きにくさ(介護、育児、障がい等)を抱え、多様な人財のパフォーマンスを高めることは、もはや企業が存続していくための経営アジェンダのはずである。

その社員に"寄り添い"、その社員に向けたテーラーメイドの働き方をどうデザインするか?

それに直接答えるものではないかもしれないが、福祉の現場には、それに向けた大いなるインスピレーションはあるはずである。

ライラの記事は、そうしたストーリーが紡がれている。


*トップ画像はシブヤフォントの「blue dot」というパターンを使用しています。ワンコインでダウンロードできます。


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