見出し画像

障がいのある人のアートのチカラを、デザインのチカラで、みんなのチカラに

フクフクプラスも3期目を迎えました。この緊急事態で多くを失注しましたが、そこはポジティブに捉え、創業メンバーとこれからの方向性を議論する時間をとりました。当初想定していたニーズと成果との差分、その上で私たちの強みを再定義し、フクフクプラスの新たなビジョンを明文化しました。

新たなビジョン

障がいのあるなしに関わらず、お互いの違いを認め合い、誰もが自分の可能性を発揮できる社会を実現します。

創業メンバーの中には、セクシャルマイノリティの当事者、うつ病の発症などのマイノリティの経験をもつ者がいる。そして障がい者の就労支援員として当事者に寄り添ってきた。私たちはマイノリティの当事者として、誰でも暮らしやすい社会であって欲しいと願う。

当社の障がいのある人のアートを使った「対話型アート鑑賞」は、ほとんどの体験者が「みんな違って、みんないい」という感想を持つ。アートに対する感性はさまざまだが、それを良しとする心理的安全な場を提供することでお互いの感性の違いを認め合う関係性が生まれる。ダイバーシティ&インクルージョン社会における、大切な要素であると考えている。

その上で、それぞれの可能性が引き出される社会であってほしい。単に多様な状態にあるのではなく、だからこそ新たな価値が生まれるような環境を作り出したい。当社の障がいのある人のアートを使った「アートレンタル」は、社会貢献としての採用もさることながら、オフィスワーカーを癒す効果も確認できた。支援する、支援されるという一方通行の概念ではなく、“支援しているつもりが、支援されていた”のように互いにhappy-happyになる事業を社会に提示したい。

それでこそ、社会貢献は持続維持しえる。そして、ここにこそ私たちの強みであるデザイン力が活かされると考える。

私たちの強み

障がいのある人のアートのチカラを、デザインのチカラで、みんなのチカラにするCSVカンパニー

創業メンバーの中には、美術大学の教授、デザイン専門学校の講師、大企業のデザイン部出身のものがいる。そして表層的デザインに留まらず、自ら現場に赴き、社会課題の解決に向けてデザインの職域を果敢に広げてきた。

当社が運営を担うシブヤフォントの事業は、その思いが結実したもののひとつだ。デザイン専門学校と福祉施設の共同プロジェクトを運営し、障がい者アートをフォントという誰でも扱えるパブリックデータに仕立て、かつ誰でも使えるようなライセンスの仕組みを構築した。ここには、シブヤフォントのデータのデザインのみならず、ソーシャルプロジェクトとして、皆がいいね!と共感しうるデザインとしての眼差しがある。

売上の一部が福祉施設に還元される仕組みでもあるが、顧客に社会貢献という意識は購買決定において希薄であり、さらに言えば、それを強く押し出す必要すらない。顧客のニーズをかなえる商品やサービスを提供し、結果的に社会貢献になる。ビジネスと福祉がhappy-happyな関係になってこそ、持続維持しうる事業になる。

こうした事業構築を、私たちはデザイン力と定義し、自らをCSV(Creating Shared Value)カンパニーと高らかに明言したい。

私たちのシンボル、インスピレーション

障がいのある人のアート活動には、自己肯定感の向上、可能性の探究、関わりの広がりなど、そのプロセスに価値があります。そして、描かれたアートには、ひとりひとりの個性を大切にしながら社会化していく可能性が内包されています。

アウトサイダーアート、アール・ブリュットなど様々な呼称が使われるように、今や障がいのある人のアートの認知は広がり、その素晴らしさに魅了される人も多い。実は創業メンバーも、原画の購入、障がい者アーティストの支援、障がい者アートの審査委員、障がい者アートを使った商品開発と販売に取り組むなど、長年の大ファンである。

そして作品の魅力のみならず、そのプロセスにも大いにインスピレーションを受けている。アートによる人間性の回復、アートによる新たな可能性の発掘、アートによる社会とのつながりの創出、時には次回作を期待されているにも関わらず躊躇なく筆を置いてしまう大胆さ(それを福祉の現場は受容する)

そこには作品の内容とは関係なく、アートを通した人間性の再興と人に寄り添う人間中心の思想がある。さらに、それを社会化していく挑戦をも内包している。

障がいのある人のアートは、私たちのビジョン「障がいのあるなしに関わらず、お互いの違いを認め合い、誰もが自分の可能性を発揮できる社会」を実現するための目指すべきシンボルであり、大いなるインスピレーションである。だから、障がいのある人のアートを活用した事業を作り出していきたい。

この緊急事態だからこそ得られた創業メンバーによる対話、それによって得られたビジョン、私たちの強み、私たちのシンボルとインスピレーション。

3期目にして、また心機一転、骨太の事業を作り上げていきます。

*こちらの取材記事も、かなり詳細を記述していただいている。ぜひこちらもご覧いただけるととても嬉しい。

*トップ画像に掲載しているのは 障がいのある人とデザイン学生によるプロジェクト「シブヤフォント」の「都会の流れ A」というパターンです。当社はその運営を担っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?