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しのびない、には程遠い

「このタルトを捨てるにはしのびない」というnoteを書いてみた。

このタルトケーキ。
買った当人、賞味期限が切れてしまったものはお腹を壊す確率が高くなるため食べないというマイルールの持ち主だ。
けれど、捨てるにはもったいない。だから人にあげてしまう。
たぶん、きっとそんな経緯で私は、賞味期限切れという言葉で修飾されてしまうおいしいタルトケーキをいただく機会を得たのであった。

上の記事。
「買った当人は、タルトが食べらないままになってしまうのはしのびないから、きっと私にくれたんだね」って感じのことを母に言ったら、「は? しのびない?」「しのびないわけないでしょ」といった風に返されてしまい、私が困惑した、という話である。

たまたま父がその会話の場に居合わせて、ちょっと不思議な表情をしていたので、さきほど確かめてみた。


父からすると、「しのびない」という言葉は大げさすぎるんじゃないか?ということから、ううーんって思っていたらしい。
なるほど。
それは想定の範囲内の反応なので、私も思わずうなずく。

ただ、母があんな強硬に否定するのも変だなあと父は感じていたらしく。
父のパソコンで、「忍びない 意味」とネット検索することになった。

検索して一番上にきたもの。

「忍びない」は「申し訳ない」ではない!
「忍びない」と「申し訳ない」の意味の違い

こんな見出しが躍っていた。

え、申し訳ない?
どういうこと???

父と二人で首をひねった。

ネット記事によれば、「忍びない」を「申し訳ない」と使う人がいるようだ。
申し訳ないは謝罪の意味であり、忍びないという耐え難いという意味とは違うんですよーってことを書いてくれている。

……もしや、母はそっちの「申し訳ない」って意味でとった!?

「キョウダイはタルトケーキを捨てるのは申し訳ないから、人にあげた」

この文脈であれば、なるほど母が強弁するのも不思議ではない。
なにせ私のキョウダイ、自分が食べたいな~と思って買ってくるのはいいけれど、消費しきれずに私や母に横流しすることもしばしばある。
確かにそこまで食べ物に申し訳を抱くほどの人間ではないなあと私ですら思う。

なるほどな! と父と私、思わず顔を見合わせて膝を打った。

私にとっては「忍びない」という意味に「申し訳ない」という意味は含まれていなかったから、母の反応へ「あれ?」と思ったわけだ。
対して、母はきっと「忍びない」とは「申し訳ない」という意味なので、「申し訳ないなんてそんな殊勝なこと思うわけないじゃない」と否定した、と。

母に直接確かめる勇気はないので、たぶんきっと、そういうことなのだろう。

おそらく意味の認識で齟齬が生じていたのか~ということで、いくぶんすっきりした。

どうして……という言葉に対するもやもやが晴れたので、私は安心して枕を高くして眠れる。よきかな。

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