インドのデータ基盤を支えるIndia Stackについて調べてみる
インドに来てから3日目ネットバンキングが発展しているなと感じており, 少し調べてみるとIndia StackというAPI群が公開されておりこれを利用してインドの社会インフラを支える様々なソフトウェアが作られているらしい.すごい….
(Technology for a billion Indians. India Stack is a set of open APIs - #Aadhaar, #eKYC, #eSign, #UPI, #DigiLocker, #DEPA, #OCEN to solve India's hard problems.)
この基盤のさらに基盤になっているのがAadhaar(アーダール)というバイオメトリックIDシステムで, Aadhaarはインド市民に対して識別番号を生体情報から作成して利用できるマイナンバーのような仕組み.
これによってユーザーの身元の認識を容易にしてサービスへのアクセスを安全に行うことができる.
民間サービスだけでなく,政府のサービスへのアクセスを可能にするため, バンキング, 保険などなど社会インフラの基盤として使われてる.
(ちなみにAadhaarはヒンドゥー語で基盤という意味らしい)
なんかちょいちょいインド人が持っているのを見かけるのはこれっぽい
India Stackは4つのレイヤーに分かれていてそれぞれにオーナーが設けられてます
以下にそれぞれのレイヤーの説明を簡単に
1. プレゼンスレス・レイヤー(Presence-less Layer)
このレイヤーはAadhaar番号に基づいて構築されており、インドの住民がどこにいてもバイオメトリックやその他の手段を用いてオンラインで自身の身元を確認できるようする. これにより物理的なプレゼンスや紙の書類がなくてもさまざまなサービスへのアクセスが可能に.
2. ペーパーレス・レイヤー(Paperless Layer)
デジロッカー(DigiLocker)などのサービスを含むこのレイヤーは公的な文書や証明書をデジタルフォーマットで安全に保管し, 共有することを可能にする. これにより紙の書類を物理的に持ち運ぶ必要がなくなり, プロセスの効率化と透明性が向上する
3. キャッシュレス・レイヤー(Cashless Layer)
統一支払いインターフェース(UPI)などの支払いシステムを通じてユーザーは銀行口座から直接, 安全かつ迅速に支払いを行うことができる. このレイヤーはインドにおけるキャッシュレス経済の実現を目指している. ユーザーはスマートフォンを使用して様々なタイプの取引を行うことが可能になる.
4. 同意レイヤー(Consent Layer)
このレイヤーはユーザーが自分のデータに関する完全なコントロールを持ちどのようにして誰がそのデータを使用できるかについて明確な同意を提供できるように設計されている. データ共有とプライバシーに関するアーキテクチャ(DEPA)がこのレイヤーの一部でありデータの透明性とユーザーのプライバシー保護を促進する.
余談,,,
このIndia Stackを利用して作られているインドで広く使われている決済サービスであるPaytmがある. これすごいなーと思って調べていたら2024年の3月15日でサービス終了するらしい.めちゃめちゃタイムリーじゃん.
レギュレーションに引っかかりまくっていたらしい.
詳しいことはまた今度調べたいと思う.