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技術力と収入は比例するかという話
手に職を付けるって言葉がありますが、覚えた技術は誰も奪えないという点で、全くその通りだなと思いますし、言い得て妙だなと感じます。
長い修練によって身につけた高い技術は、その向上量に比例して収入も上がればいいのですが、なかなかそうばかりでは無いというお話です。
とある条件をいくつか満たせば、技術の高さと収入額は比例するのですが、その満たさなければいけない条件を揃えるのは並大抵ではなく、かなりのリスクを負う事が必要です。
加えて
その条件を満たすための技術も当然必要になってくるので、いわゆる職人として人生の大部分を専門特化した技術に捧げてきた人にとって、収入と技術を比例させることは難しいのだと感じています。
何を言っているのか分からなくなってきました(笑)
ですから、ちょっと表のようなものを作ってみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1705109694092-y45UVNEnbv.jpg)
横軸がその技術習得のために掛けた時間。縦軸が習得できた技術(成果の品質)だとすると、基本的にグラフは右肩上がりの線を描く筈なんです。
しかし、とある地点①でその右肩上がりの角度が鈍化します。
皆さんも心当たりがあるかと思いますが、ド素人が最初の一歩を覚えて何もできない状態から何となくやれる状態になるまでに掛ける時間は非常に短く、得られる品質もかなりタイパが良いのに対し、ある程度できるようになってからの成長は、最初の一歩の頃に比べて、やはり角度は鈍いのではないでしょうか?
更に、そのまま時間を掛けていくと、同じような事が再度現れ地点②では更に角度が鈍化します。
この時には、素人が良し悪しを判断できるライン(③青い鎖線)を超えているので、もう分かりません。
陶芸家が「ダメじゃ!」と言って作った皿を地面にたたきつけてパリーンと割り、その横で素人が「ああ勿体ない!何がいけないって言うんですか!」と叫ぶシーン、あの状況が起こってきます。
表には書かれていませんが、この後、時間を掛ければかけるほど地点②が何度も現れ、その成長線の角度を鈍化させていきます。
趣味の領域であれば、これはこれで楽しいのですが、問題は仕事としてビジネスとして対価を頂かなければいけない場合、これをどう考え行動するか?という事になります。
もっと言えば、買い手にどう捉えてもらうか?という部分がポイントになると考えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1705110901961-ydUBsGFR1J.jpg)
買い手は③素人目ラインで表現できます。
③が左にあればある程、買い手の目は素人に近く、逆に右に行けば行く程、その目は肥えているという事になります。
例えばお寿司屋さんを例にとると、③ラインが左の方にある人を対象にした激安回転ずしのようなお店があれば、右のほうにある方を対象にしたカウンターで厳かに食べるお店もあり、その店の考え方によって、顧客満足点(④赤鎖線)が上に行ったり下に行ったりする訳です。
当然、顧客満足点が低い所を目指している場合は、ロボットが握ったシャリに刺身を載せるだけの寿司職人(と呼んでいいのか憚られますが)を短期間で育成でき、高い顧客満足点を目指す場合は、そのレベルの寿司を提供できる職人を育成するまでに時間を掛けなければいけない事になります。
そして肝心の技術力と収入は比例するか問題ですが、皆さんご承知の通り比例しません。
個々の店が目標にしている顧客満足点が違うという事は、店によって給与設計が違いますから、収入額は階段状になる筈なんです。
極端な話、銀座の有名店で寿司を握れる技術があるからと言って、激安回転寿司店で同じような収入になるかというと・・・なりませんよね。
全く何も無い状態から、その道を究め、そこに行き着くために掛けた何某かの投資を金銭によって回収したい場合、「素人でも雇用してくれる店」からキャリアをはじめ、顧客満足点の高い店へと徐々に転職を繰り返しながら、収入を上げていき、最後の最後、その店で得られる最高額の収入でも満足がいかない場合は、寿司に対してその店以上の金額を払ってくれる客を自分で見つけて自分で提供する、つまり独立しかないんですね。
冒頭、とある条件を満たせば、技術と収入は比例するというような事を申し上げましたが、「自分で決めた金額」で「買ってくれる人」がいれば成立する。が、結論になります。
経営者として、ようやくここに至れた、という思いです。
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