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中心市街地活性化のための大学連携

かつて、中心市街地は多くの若者であふれていた!

花巻市の街なかから若者の声が聞こえなくなってどれくらいになるのでしょうか。

私がまだ小中学生の頃(昭和50年代)、旧花巻市の中心市街地には、花巻南高校、花巻東高校(昭和56年度までは谷村学院高等学校)があって、街なかには高校生があふれかえっていました。

小学生の頃、私は地元町内会の学童野球チームに入っていて、当時はまだ女子高校だった花巻南高校のグラウンド(現在のまなび学園)をお借りして、生徒の皆さんが登校する前の朝6時から朝7時頃まで野球の練習をしていたことを思い出します。

非常にせまい校庭の中に、軟式のテニスコートやソフトボールができるグラウンド、確かハンドボールのコートなんかもあったように記憶していますが、体育館の下が雨天でも練習できるピロティになっていて、今考えると、機能的で非常に利便性が高い、都会的な学校だったのかもしれません。

当時は、オイルショック後ではありましたが、それでも経済成長は続いていて、中心市街地の人口も増え続け、新たな居住環境も整備しなくてはいけない状況であったものと思われます。

その後、花巻駅西側の土地区画整理事業が始まり、中心市街地からの花巻駅西側への宅地整備など居住誘導が行われると、それと同じように平成3年には花巻南校が中北万丁目へ移転、平成8年には花巻東高校が松園町へ移転し、中心市街地から高校生の姿がなくなりました。

それでも、今のような人口減少社会が始まる前は、本舘にある花巻北高校の生徒も含め、多くの生徒が花巻駅前の大通りや上町通りなどの中心市街地に繰り出していたような気がします。

ところが現在、花巻駅は各高校の最寄りの駅としての機能を有するだけで、各高校の生徒が街なかでたむろしたり、遊んだりすることはなく、中心市街地は子どもとその親世代、高齢者の生活の場となっているのが実態です。

このような状況の中、街なかでまちづくり活動などを行っているNPO法人ハナレヤのような若者たちもいます。

私は、彼らのような活動はめちゃくちゃ重要だと思うし、本当に応援したいと思ってはいますが、何しろ彼らの活動のスピード以上に街なかの人口減少、衰退が著しい。
「街なかで何かしたい!」という彼らの気持ちに応えるような基盤整備が必要と感じる一方、そのためにはもっと多くの若者が、常時街なかにいる仕組みをつくらなければいけないと思っています。

では、どうすればいいか?


サテライトキャンパスの誘致。フィールドワークする学生の誘致。

私は、かつてから「中心市街地に大学のサテライトキャンパスを誘致してはどうか?」と考えていました。

例えば、首都圏の大学のサテライトキャンパスを整備すれば、それだけで学生が増え、賑わいの増加につながるばかりではなく、研究機関としての大学との連携も図ることができます。

仮にサテライトキャンパスの誘致が難しくても、フィールドワークなど研究拠点を中心市街地に整備することによって、岩手県内外の学生が花巻市の中心市街地に訪れるようになる。
現在、国公立、私立問わずどこの大学においても実践知としてのフィールドワークの重要性は増しており、フィールドワークする学生を誘致しようとする他市の事例もあります。

花巻市は、大谷翔平や菊池雄星を輩出した花巻東高校などのスポーツ文化、宮沢賢治、萬鉄五郎などの偉人、ユネスコ世界遺産の早池峰神楽をはじめとする郷土芸能など多くの地域資源にあふれています。
大学の研究内容にもよりますが、フィールドワークとして十分にその可能性がある場所と思います。
また、フィールドワークによる研究を花巻市にフィードバックすることにより、より魅力のあるまちづくりが進むことになると思います。

富士大学まなびキャンパス構想?

もちろん、花巻市にある富士大学との連携はかかせないと思います。
富士大学の学生は700人を超えますが、通学等他市町村に居住している学生も含めてそれだけの若者が花巻市にいるということ自体、中心市街地の活性化に向けて富士大学の学生を活かさない手はない。

首都圏の大学のサテライトキャンパスの誘致もさることながら、中心市街地に富士大学のサテライトキャンパスがあってもいいと思います。
例えば、まなび学園の一部を富士大学専用のスペースとして整備する。
イメージは、岩手県立大学におけるアイーナキャンパスです。

毎年、富士大学の市民セミナーがまなび学園で行われていますが、花巻市における生涯学習の拠点であるまなび学園に富士大学のサテライトキャンパスを整備することにより、市民にとっては富士大学をより身近な存在として感じることができるでしょう。
また、リノベーションまちづくりとしての中心市街地において、学生がまちづくりに参画することにより、中心市街地の賑わいが増し、より魅力のあるまちになる可能性が高まっていくように思います。
これを「富士大学まなびキャンパス構想」とでも名付けて、プロジェクトにしてもいいかもしれません。


終わりに

2月下旬開会予定の「令和6年第1回花巻市議会定例会」において、私は一般質問を行う予定で準備を進めています。
現段階では、その1つに「まちづくりにおける大学の連携について」を取り上げたいと思っています。
その際には、以上のような視点を持ちながら質問できればと思います。


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