見出し画像

12月議会一般質問その④(コロナ交付金とEBPM)

 先日、岩手大学で、2月に行う予定の中学校部活動の地域移行シンポジウムの打ち合わせを行ってきました。

 令和7年度までに、休日における中学校運動部の部活動は地域に移行することになっており、9月の花巻市議会一般質問の場において、「住民に周知しながら機運の醸成を図ったうえで地域移行に取り組むべき」と訴えました。

 花巻市教育委員会でも保護者アンケートなどをしているようですが、学校、指導者、競技団体、保護者、そしてこれから中学校に入る小学生の親など多くの関係者がこの問題に向き合うことが必要と思います。

 このため、花巻総合型地域スポーツクラブ「Northern Rise」では、上記関係者を対象とした部活動の地域移行を考えるシンポジウムを企画しています。
 詳細は、後ほどnoteの記事でもおしらせしたいと思いますが、議員としてただ一般質問して終わり、ということではなく、その課題解決のために実践することもまた必要と思います。

 という意味で、今回の12月議会でのDXを中心とした一般質問も、なんとか実現するよう、今後も何らかの形で取り組んでいきたいと考えています。

 さて、12月議会一般質問のその④です。

 振り返ってみれば、国内の新型コロナウイルス感染症の発症1例目は令和2年の1月。
 この時からまもなく3年を迎えます。
 本当に「コロナ」に振り回された3年だったと思います。
 この間、国においてはさまざまな対策がとられました。
 特に、市町村では、新型コロナウイルス対策事業として地方創生臨時交付金が各自治体に配られ、それぞれの自治体ではその交付金を活用しながら多くの事業を行ってきました。

 この交付金については、一部の市町村での取り組みが「本当に地域のためになっているのか?」と批判されることもありました。
 マスコミなどに取り上げられるなどして、特に話題になったのがコチラ。

去年4月、石川県能登町の観光施設に、新型コロナ対策の交付金およそ2500万円を充てて建造され、当時「交付金の使いみちとして不適切ではないか」などと批判も集めた、巨大なイカのモニュメントについて町は「先月までの経済効果が6億円に上る」という推計結果を発表しました。

能登町の観光施設「イカの駅つくモール」に、去年4月に完成した巨大なイカのモニュメント、その名も「イカキング」。

町特産のスルメイカがモチーフで、全長13メートル、高さが4メートルあり、およそ2700万円の建造費のうち、およそ2500万円は、国の新型コロナ対策の交付金が充てられました。

完成当時「新型コロナ対策と無関係で、交付金の使いみちとして不適切ではないか」などと、批判も集めましたが、多くのメディアに取り上げられ、施設には多くの観光客が訪れていました。

町は8月29日、モニュメントが県内にもたらした経済効果について、建設が始まったおととし10月から先月までに、6億372万円に上るという、コンサルタントの推計結果を公表しました。

経済効果には、モニュメントを目当てに訪れたとみられる観光客の宿泊費や飲食代、それに建設費用などが含まれるということです。

能登町ふるさと振興課の山下栄治課長は「これほどの経済効果とは正直驚いた。交付金の使いみちとして批判する意見もあったが、間違ってはいなかった」と話していました。

(NHKホームページ『コロナ交付金の「イカキング」経済効果6億円 石川 能登町が推計』
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/88328.htm より引用)
  

 いくら経済効果があったからといって、新型コロナ対策に「イカキング」は・・・という違和感はぬぐえませんが、こうやって各市町村が頭をひねらせて、コロナ対策事業を考えたわけです。

 さて、我が花巻市はどんな事業をやったかというと・・・。
 実は、今年の11月に令和2年度及び令和3年度における新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金充当事業に係る効果検証結果が、花巻市のホームページにおいて公表されました。

 詳しくはこちらのホームページを見ていただきたいのですが、中小企業の地代・家賃補助や、市内温泉宿泊施設等を利用する県民等に利用料を助成する温泉宿泊施設等の利用促進事業など様々な事業が実施されました。

 私は今回の一般質問において、この効果検証及び検証結果を踏まえて、次年度以降に引き続き実施する可能性について質問しました。

 市当局は、「これまでに経験のない経済危機から市民生活を守るとともに、地域の実情を把握し市独自の視点で市内事業者の経営の継続を支援する等の効果があった」として事業を評価するとともに、温泉宿泊施設等利用促進事業については、「コロナ禍の移動制限で市内温泉宿泊施設の利用客が県外客を中心に減り、経営に大きな打撃を与える中、市が独自に支援することで宿泊客維持に大きな効果になった」と答弁しました。

 また、令和5年度以降の交付金は不透明ですが、事業の中には「一般財源も活用しながら継続的に行う可能性がある」とのことです。

 私は、市が行う政策は証拠(エビデンス)に基づくものでなければならないと考えており、そのためにも事業の検証は必須と考えています。 
 その観点から、9月議会においても、新総合計画策定にあたり現総合計画の検証が必要ではないか?と質問しました。

 
 国においても、EBPMエビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)が進められています。

 EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)とは、政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づくものとすることです。
 政策効果の測定に重要な関連を持つ情報や統計等のデータを活用したEBPMの推進は、政策の有効性を高め、国民の行政への信頼確保に資するものです。
 内閣府では、EBPMを推進するべく、様々な取組を進めています。

(内閣府ホームページ「内閣府におけるEBPMの取組 」https://www.cao.go.jp/others/kichou/ebpm/ebpm.html より引用)

 これまでの自治体の政策の多くは、エビデンスに基づかない、例えば首長や行政職員の経験、勘、思い込みによる立案や、地元要望による恣意的な政策誘導がなされてきたように思います。
 エビデンスに基づく政策立案を行うためにも、証拠としてのビッグデータやオープンデータの活用が必要であり、効果検証を図る場合にも、内部評価のみならず外部評価も行うべきと考えます。
 もちろん外部評価の審査機関の充実はいうまでもないですが、透明性を高めながら、政策を立案していく・・・。 行政にとっては、手間が増えることにはなりますが、こういったことも丁寧に行う必要があります。

 今回、時間があれば再質問として、EBPMの話もしたかったのですが、時間がなくてできませんでした。
 また、機会があれば、EBPMに関する質問もしていきたいと考えています。

 ということで、その④で終わるつもりが、またまた3000字を超えてしまうことになったので、もう1回だけ続きます。

 次回は、ペイペイキャンペーンの効果と小中学生に対するコロナ対策についてです。

 興味があれば読んでみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?