「理不尽」と「祈り」
世の中には「理不尽」と思われることが頻繁に起きる。
(twitter https://twitter.com/YahooNewsTopics/status/1488132204656230401 より引用)
3月18日に甲子園球場で開幕する選抜高校野球の出場校が1月28日に発表されたが、その東海地区の代表選考において、昨秋の東海大会で優勝した日大三島(静岡)と同大会ベスト4の大垣日大(岐阜)が選ばれ、同大会で準優勝した聖隷クリストファー(静岡)が落選したことが大きな問題となっている。
東海地方の選出枠は「2」。
問題となっているのは、例年であれば優勝校と準優勝校が選出されてきたのが、今回は準優勝校が選出されず、ベスト4の学校が選出されたこと。
これについては、「東海地区の代表がどちらとも『静岡県』だと地域性からいってもマズイので、岐阜県代表の大垣日大を選出した」とするのが素人的にはわかりやすいのだが、高野連によるとそうではないらしい。
野球以外の高校生のスポーツでも「選抜大会」というのは存在する。ただ、バレーボール(春高バレー)でも、バスケットボール(ウインターカップ)でも、予選を行ってその勝者(もしくは予選大会の成績上位のチーム)が大会に出場する。
サッカーやラグビーなど、多くの高校生が参加しているスポーツ大会において、
「運営団体が本大会で勝つ可能性のあるチームを選ぶ大会」というのは聞いたことがない。
高野連によると、秋の地区大会はあくまでも「参考資料」らしい。
日本人のほとんどが知っている(と思われる)「春のセンバツ」は、目に見える結果はさておいて、権威者による独自の選抜方法による交流大会なのだ。
高野連の選考基準に合致しないチームは選考されないのだから、優勝したチームが「日本一」なんてちゃんちゃらおかしい。
「センバツ」で優勝するチームを貶めているわけではない。
今回の騒動は、この大会の権威を著しく失墜させたことを高野連は肝に銘じるべきである。
とはいえ、甲子園という舞台を目標に練習に励んできた「聖隷クリストファー高」の野球部生徒たちのことを考えると、心が痛む。
もし、自分の息子がここの生徒で、野球部の選手だったら・・・とありえないシチュエーションを想像するだけで、胸が張り裂けそうな気持ちになる。
簡単に夏の大会頑張ろう!などとは言えない。
もしかしたら、声を上げて高野連に抗議するかもしれない。
人間は、自分の想像力が及ぶ範囲については、実際には目にしたことのない現象についても心を向けることができる。
聖霊クリストファーの野球部の生徒に感情移入できるのは、自分に中高生の息子がいるからかもしれない。
だからといって自分はどうすることもできない。ただこの経験を活かして次のステップに進めるよう祈るしかない。
僕らはいつだってそうだ。
部外者が理不尽なことを耳にしたときできることは、想像力を働かせること。
その理不尽なことが起きた背景や問題を多面的に考えること。
そして、理不尽なことに遭遇した当事者に、関係者に、祈ること。
それしかできない。
目に見えないウイルスにより大会そのものがなくなってしまったこともある。
何の前触れもなく突然の病気が襲ってくることもある。
社会に訴えるだけの知名度もパワーも持っていない僕らは、想像力を働かせ、心を向け祈る。
匿名のヤフコメや掲示板で毒を吐くより、その方がいい。
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