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人事異動の旅

 官公庁や企業の人事異動のシーズンである。

 サラリーマンにとって、人事異動は自分の運命を変えるかもしれない大きな転機であることは間違いない。

 個人事業主や従業員の少ない中小企業であれば、就職時にある程度の仕事内容がわかり、おおむね自分のやらなければならない仕事も理解できる。
 しかし官公庁や大企業であれば、職種はわかっても職務内容を理解して入社しているとは限らない。
 いや逆に職務内容をすべて理解して入社することはムリだろう。

 そこで人事異動である。
 自分が希望する部署に異動できるとは限らないし、希望した部署だったとしても上司、同僚などの人間関係が自分の望むものとは限らない。
 人事異動とは、「自分の知らないところで自分の運命が決まる」セレモニーと言ってもいいかもしれない

 実は、自分もこの「人事異動」に翻弄された一人である。

 かつていた役所では、民間への派遣研修も含めれば、23年間の間に10か所もの異動を経験した。課内室異動や組織改編も含めれば12回の異動辞令をもらっている。
 
 地方公務員を経験した方ならご理解いただけると思うが、2年に1回の異動というのはほとんどありえないペースの速さである。
 管理職になるとそういったこともありえるが、課長補佐職で退職した自分がこの異常なペースで移動を繰り返した理由は2つしかない。
 一つは優秀な職員で引く手あまただったこと。
 もう一つは使い物にならなくて(やらかして)お払い箱となったこと。

 できれば前者であってほしいが、こればっかりは他人の評価なのでわからない。
 だが、この頻繁な異動が、公務員人生の早い別れを決断した理由の一つでもある。

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「自分のパーソナリティを知って、幸せな人生の扉を開く」ための記事を書いています。公務員時代や退職後の「しくじり」経験など織りまぜながら、「…

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