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「グランドデザインの大切さ」~総合計画と施政方針と人生設計ノート~

第2次花巻市まちづくり総合計画長期ビジョン

去る2月8日(木)に、花巻市議会臨時会が開催され、第2次花巻市まちづくり総合計画長期ビジョンが策定されることとなりました。
第2次花巻市まちづくり総合計画長期ビジョンについては、過去記事においても取り上げましたが、パブリックコメント等の市民参画を経て上程された計画案は、過去記事に取り上げた素案とほぼ変わらないものであり、そのとき話した通り、
「現状の課題を解決するための記述が多く、将来花巻市を背負う次世代の視点で見ると、ワクワクするような夢のある計画ではない」
「非常に重厚で堅実な行政計画という印象を受けるが、市民にとっては概要版でも理解しづらい」
ものとなっています。

私は、改めて「ワクワクしない」「夢のある計画ではない」「理解しづらい」理由を考えてみました。

いろいろと考えた結果、その理由は「将来的に街をどのようにつくっていくか、というグランドデザインがないからではないか」と思うようになりました。

「グランドデザイン」とは長期間にわたって行われる計画の上で考えるべき制度設計であったり全体構想であったりする訳ですが、まちづくりにおいてはあるべき姿の将来構想を描くことに他なりません。

それは、必ず来るであろう人口減少社会に応じたまちづくりを描くということでもあり、例えばかつて記事でも示した「集団移転」だったり、「公共施設」だったり、「地域公共交通」だったり、こういったことを先送りせずに方針を示していくことが必要だと思います。

また、大迫、石鳥谷、東和と言った支所単位での地域のビジョンも示しながら、どういったまちにしていくかを地域住民と一緒になって考え、実行していくものでなくてはなりません。
その上で、人口減少という現実を受け入れながら、住民がイキイキと暮らすための「グランドデザイン」を考えていく。

それは、例えば中心市街地に関して言えば、新花巻図書館の立地場所は、駅前がいいとか旧花巻総合病院跡地がいいとかいうレベルで考えるのではなく、将来整備しなければならない「子育て施設」や「新市役所」といった公共施設の整備を念頭に、エリアマネジメントの中で新図書館の立地場所を決めていくべきと思います。

これから「アクションプラン」が示されることとなりますが、総合計画については、4年後の見直しも見据えて検討していくとともに「人口減少社会における地域社会の将来展望」についても今から真剣に取り組んでいかなければならないと考えています。

市長施政方針

2月27日(火)には令和6年第1回花巻市議会定例会が開会し、この日は、市長と教育委員会教育長の市政方針が示されました。

市長の施政方針では、令和6年度について第2次花巻市まちづくり総合計画長期ビジョン、特に重点施策プロジェクトである「子ども子育て応援プロジェクト」「花巻で暮らそうプロジェクト」を中心に事業を展開していく旨の話がありました。

確かに予算的には過去最高の551億という積極的な予算な訳ですが、それぞれのプロジェクトを見てもメリハリのあるものではなく、現事業における対象者(受益者)を広げるとか、補助金の額を増やすといった部分がメインで、大きな目玉となるような事業はありませんでした。

一方、時代にそぐわない、所期の目的を達成した、そのように思われる事業にまだ予算がついているのも事実で、なかなか事業のスクラップができていない印象も受けます。

これは今後の予算審議で質していきたいと思いますが、いずれ、市長の令和6年度の施政方針をみても「現状の社会課題の解決」が中心であり、「将来予想される状況を見据えて今から事業化して対応する」視点、いわゆる「グランドデザイン」の考えがみられなかったのは残念でした。

大谷翔平選手の人生設計ノート

この記事を書いていた(2月29日午後)ところ、大谷翔平選手の結婚が発表されました。
本当におめでたいことですが、そういえば、大谷さんは高校3年生の頃に、人生設計ノートを書いていたそうです。

18歳「メジャー入団」 → 23歳で達成
22歳「サイヤング賞」  
24歳「ノーヒットノーラン」「25勝」
25歳「世界最速175km」
26歳「ワールドシリーズ優勝」「結婚」 → 今ココ(29歳)
27歳「WBC日本代表MVP」 → 28歳で達成
28歳「男の子誕生」

「smartfrash記事から主なものを抜粋 各項目の→以降は筆者による追記」

私は大谷さんの人生設計ノートのことを「アカシックレコード」と呼んでいるのですが、予言書もしくは黙示録とも呼べるくらい途方もない「夢」を実現している。

これって、これまで話してきた「グランドデザイン」と通じるものがあって、他者から見れば現実的に達成不可能と思う目標も、メタ部分で俯瞰して自分を客観的に見ながら、目標をに向かってすべきことを一つ一つ実現していく・・・。
そのためには、自分にはじめから限界をつくってはいけない訳で、時間的にも空間的にも遠くを見据えた目指すべき姿、いわゆる「ビジョン」を掲げて、そこに向かって長期的に取り組んでいくことで初めて「夢」が叶うことになると思うのです。

身近にというか遠い存在になってしまいましたが、縁もゆかりもある大谷選手という身近なお手本があるわけですから、我が自治体もぜひ「グランドデザインを描いて夢に向かって突き進む」ことを期待したいです。


ところで、大谷さんの人生設計ノートには続きがありまして・・・

30歳「日本人最多勝」
31歳「女の子誕生」
33歳「次男誕生」
36歳「奪三振数記録達成」
39歳「来年での引退を決意」
40歳「引退試合ノーヒットノーラン」
41歳「日本に帰ってくる」
42歳~56歳「日本にアメリカのシステムを導入」
57歳「プロ野球界から引退」
58歳「岩手に帰ってくる」
59歳「リトルリーグの監督になる」
61歳「リトルリーグ日本一になる」
62歳~64歳「岩手の野球向上」
65歳「メジャー年金3000万円」
66歳~69歳「世界旅行」
70歳~「毎日スポーツを続けて元気で明るい生活にする!!」

「smartfrash記事から主なものを抜粋 太字は筆者による加筆」

なんと58歳で岩手に帰ってくるとのことです。現在、大谷さんは29歳なので、あと30年弱・・・。
私が生きてるうちに帰ってくるのでしょうか。
いずれにしても、野球が大好きで、野球を通して何かのために貢献したいというお考えはこのころからお持ちです。

話は脱線しますが、大谷さん、この時点で「メジャー年金」の考え方を持っているのは知りませんでした。
昨年ロサンゼルスドジャースと10年総額7億ドルという大型契約をした大谷さんですが、そのうち契約期間に支払われる金額はわずか3%(年間200万ドル=日本円にして約3億円弱)
97%が後払い。65歳「メジャー年金3000万円」どころではありません。もしかしたらその100倍の年間30億円のメジャー年金が手に入るかも・・・などど考えてしまいます。

それでも、全国の小学校にグローブを配った大谷さんのことですから、またとてつもないビックプロジェクトに投資するのかもしれません。

いずれ「夢」のある話には変わりありません。

グランドデザインを描いてはばたけ!

3月1日(金)、私は令和5年度花巻東高等学校卒業式にPTA役員として参加しました。

この日は、歴代最多となる高校通算140本の本塁打を放ち、スタンフォード大学に進学する「佐々木麟太郎選手」が卒業することもあって、多くの取材陣が卒業式会場に駆けつけていました。

正直言って、文武両道を目指すといっても、決して進学校ではない花巻東高校からアメリカの名門スタンフォード大学に進学するなんて本当に信じられません。
これも、今までの常識にとらわれず、自分の「夢」をグランドデザインとして描きながら、そこにチャレンジしたからこそ実現したのだと思います。
しかしながら、まだ夢の途中。
佐々木麟太郎選手には、ぜひとも夢の実現に向かって、高みを目指してほしいと思います。

花巻東高校には「立志 夢実現」という校是があります。
この度卒業される花巻東高校の生徒の皆さん、そして全国の卒業生の皆さん。
今後の人生に向けて、グランドデザインを描いてはばたいていってください!
みなさんのこれからを大いに期待したいと思います。

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