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「日常に若者がいる光景」~一般質問その②~

富士大学との連携には前向きな答弁

前回に引き続き、一般質問の続きになります。
一般質問の2つ目の質問は「大学との連携について」です。

最初に質問した内容は「富士大学との連携」です。
富士大学との連携の取り組みについては、市民を対象として富士大学の先生を講師に招いてまなび学園で「花巻市民セミナー」を開講したり、逆に富士大学生を対象に、市職員や民間事業者の方が講師となって富士大学内で「地域活性化論」を開催したりするなど、様々な官学連携の取り組みが行われていますが、私は富士大学との連携をより進めるべきと考えています。

その中で、例えばですが、富士大学に市職員を派遣して共同研究を行うとか、富士大学のキャンパスの一部をまなび学園など街なかに設置する、いわゆるサテライトキャンパスの整備を考えてはどうか?と提案を行いました。

富士大学との共同研究について、市長は「富士大学の先生方にはこれまでも各種審議会の委員として市政に参画いただいている。特に今回策定した『第2次花巻市まちづくり総合計画長期ビジョン』に関して、総合計画審議会の会長を富士大学の先生にお願いしており、大きな役割を果たしていただいた。このような取り組み自体が共同研究に近いものだと認識している。今後、研究テーマによっては富士大学と共同研究することも考えられる」と答弁しました。

なかなか論点がかみ合わないような答弁だったのですが、市職員の派遣は別として、研究テーマによっては共同研究もありうる、とのことだったので、ぜひ今後の展開に期待したいと思います。

次にサテライトキャンパスに関する市長答弁ですが「富士大学サイドからはサテライトキャンパスの整備の要望を聞いていないが、もし富士大学が花巻駅周辺にサテライトキャンパスを整備する希望があるのであれば、市の支援についても検討したい」という内容でした。

これについてはかなり前向きな答弁でしたが、私は「例えばまなび学園に設置してはどうか」と質問したのに対し、市長答弁では「花巻駅周辺」と設置する場所の認識が異なっていました。
これは少しうがった見方になるかもしれませんが、富士大学のサテライトキャンパスの整備は、新花巻図書館の整備構想の延長線上にあるのかな、とも思いました。

ご存じのとおり現在、新花巻図書館の立地場所については、花巻駅前と旧総合花巻病院の跡地の2箇所の候補地があり、どちらの場所がふさわしいか市民の意見も分かれている状態です。

新花巻図書館を駅前に設置した場合には、富士大学のサテライトキャンパスを隣接することも可能かと思います。
この点に関しては深く突っ込みませんでしたが、これまでイベントの開催などによる「若者が中心市街地にいる非日常の光景」は見られてきましたが、中心市街地にサテライトキャンパスを整備することによって「日常に若者がいる光景」が見られることになります。

ぜひとも、街なかへの富士大学のサテライトキャンパス整備が進んでいく方向となるよう、私も何らかの形で関わっていきたいと考えています。


地域おこし研究所員の研究だけではない慶應義塾大学SFCの活用策

次に「慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)」との連携強化についてです。
慶應義塾大学SFCと花巻市は、平成30年7月に『地域おこしに関する研究開発の連携協力に係る覚書』を締結して以降、慶應義塾大学大学院に入学した市職員が地域おこし研究所員となり、慶應義塾大学SFC指導のもと、地域課題解決のために様々な研究を行い、その研究成果を地域に還元する取り組みが行われてきました。

しかし、どうもこの地域おこし研究所員の研究が本当に花巻市の社会課題の解決につながっているか、なかなか評価が難しい。
それぞれの研究所員(市職員)の皆さんは、熱心に研究テーマに取り組んでいることは理解できるのです。
一方で、テーマがコアすぎるというか、マイナーというか、もっと花巻市の将来に向けてのまちづくりに関するテーマを設定してほしいと思うのですが、そういったテーマの研究はありません。

私はせっかく慶應義塾大学SFCと連携しているのだから、政策の調査研究や行政評価の外部評価など、シンクタンクとして活用する考えはないか、と質問しました。

市長からは「更なる活用は大いに考えられるところではあるが、先生方は忙しいし、費用もかかる。それでも先生方にお願いするかどうかはしっかりと判断していきたい」との答弁がありました。

私は地域おこし研究所員の研究に年間1,000万円を超える費用をかけるのであれば、その費用の何割か慶應義塾大学SFCのシンクタンク活用にかけてもいいのではないか、と思います。

地域おこし研究所員の研究については、費用対効果だけではない市職員の人材育成という効果もあるというのも理解はできますが、地域おこし研究所員の研究という一本足打法ではなく、シンクタンクの活用という地に足をつけた取り組みが今後期待されるところです。



市外の大学のサテライトキャンパスは否定的。
フィールドワーク誘致は方法論が課題。

最後は「市外の大学へのサテライトキャンパス、フィールドワーク誘致」です。

私は、市外の大学に積極的に働きかけ「サテライトキャンパス」や「フィールドワーク」を誘致してはどうか質問しました。

答弁は地域振興部長でしたが「首都圏の大学は郊外から中心回帰が進んでいる。仮にサテライトキャンパス誘致に成功したとしてもその後撤退する可能性もある。そのためサテライトキャンパスを市内に整備することは現実的ではない。フィールドワークについては、花巻でフィールドワークを行う大学側から希望があれば支援も考えたい」という内容でした。

サテライトキャンパスについては、なかなか難しいのはその通りなのですが、最初から「現実的ではない」とあきらめてしまうのはいかがなものか。
フィールドワークも含めて、地域資源が豊富な花巻市をPRしながら、誘致を働き掛けていくのは必要だと思います。

フィールドワークの誘致に関しては、再質問の際、市長からは「大学へのアプローチをどうするか、興味を持っていただけるかについては難しいところがある」との話がありました。


首都圏接点の再構築「ポップアップストア」

確かにアプローチの方法は課題があるとは思います。これは、首都圏の大学への接点がないというところだと思います。

かつては、「花巻市東京事務所」があり、企業誘致や首都圏にいる花巻の方との交流等の役割をになっていた訳ですが、数年前に「花巻市東京事務所」が廃止されて以来、首都圏への接点はなくなりました。

関係人口の増加やシティプロモーションなど、花巻市への人口流入、経済効果等考えた場合、首都圏の接点について再構築を図る必要があると思います。

例えば、西和賀町では、現在、期間限定で東京上野に西和賀町の「ポップアップストア」と呼ばれるシティプロモーションブースを設置しています。

首都圏の大学を含め、企業や花巻に関心を持っている方など、多くの方の接点として「ポップアップストア」のようなシティプロモーションブースを設置しても面白いと思うのですが、花巻のシティプロモーションの考え方は少し違うようです。

この部分については、3月12日から14日に開催された「予算特別委員会」で質問したのですが、その質問を含めて、予算特別委員会の質疑、議案の質疑等については、次回以降報告したいと思います。

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