Look at me!

                            2019冬
生まれたての赤ちゃん。新生児室に並んだその姿は一見見分けがつきません。10人の中からわが子を見つけるのはなかなか難しく、名札が頼りです。そして髪の生え方、耳の形、あくびをする様子を飽きることなく見つめ、やがて一目で抱き上げられるようになります。

退院後は泣き声からお腹?おしり?抱っこ?それとも?と推理し、目が合えば微笑みかけ、寝顔にほっとする毎日が続きます。

やがて首がすわり、できることが増えてくると、それが順調かどうかに気をとられ心配なことが少しずつ増えてきて、いつの間にかその子そのものを見ることよりも「困ること」に目がいくように。わけもなく大号泣、夜寝ない、離乳食を食べない、危ないことをする…どうやらそのあたりから「可愛い<心配」の構図が出てくるようです。

 日ごろ何度も繰り返して言ってますが、これはママにとって困ることでも、子どもにとっては大切な成長の一過程なのです。

ここでその大原則に気づかないと、大人は都合の良いように子どもをコントロールしていくようになります。手がかからず、効率的な育児を目指した結果、その子が本来持っている個性は磨かれることなく、自分のやり方、考え方を持たない無気力な指示待ち人間ができてしまいます。

成長と共に昨日まではわからなかった違いに気づく感性。これまで見えなかったものが見え「これは何だろう?」と確かめてみたくなる好奇心。これがなければ、人は進歩しません。そして彼らは自分の持っている力を精一杯使って、「?」の答えを探します。この「自分の持っている力」が個性です。一人ひとり違う神様からのプレゼント。この力を大事に育てていくことがその子を認めることになり、生きていく力になっていくのではないかと思います。どうぞ彼らをよく見て、伸びたい方向に伸ばしてあげてください。「自分の姿を見つけ、認められることを幸せというのではないか」と、親しい小学校の先生と昨日語り合ったところです。

この秋、日本中が夢中になったラグビーもそれぞれ違う種類の強みを持った選手が活躍して成り立つ競技でしたね。日々の主婦業にも個性は出るでしょう。家計の管理が得意な人、味付けのセンスがいい人、こまめに掃除ができる人…あなたは何が得意ですか?

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