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初風ねぴあ
2021年3月6日 08:43
月日が経つのは早いもので、もう3月です。本コラムは、下記コラムの直接的な続編になります。 情報の持つ不可能性については前回のコラムで述べた通りです。情報とは比較不可能で公正不可能な存在であり、そして現代社会はその不公正を利用して発展している訳です。 ここで「情報が比較不可能ならば、正しい情報とは何なのか?」という大きな問題が発生します。情報の正しさを保証するのは基本的に現実世界、もっと言
2021年1月9日 16:52
年も開けたので、地政学についての記述を再開していきたいと思います。 去年はあまりにも激動の一年でした。コロナウイルスのみならず、アメリカ選挙の影響もあり世界はより混迷を深めています。この影響はこれから数年間は続くでしょうが、「このような混乱した状況がなぜ引き起こされるのか」を理解しておくことは、今後起こり得る様々な状況の変化を受け入れる助けになるでしょう。 そこで、今回は物資と情報の持つ
2020年11月8日 11:34
いよいよ実際に国家の運命予測をする段階に移ります。第一章で論じた内容を使うことになるので、必要に応じて参照願います。
2020年9月29日 08:32
1.EUの誕生 ヨーロッパはユーラシア大陸を巨大な島としてみた時、ヨーロッパ半島として扱われることが知られています。一般論として、半島は海側ではシーパワーとしての発展が期待できますが、大陸と接する付け根の部分に強力な陸軍を置かなければならないという欠点を抱えています。 ヨーロッパ半島の付け根は東欧及びバルカン半島です。ここは決して落とすことができません。バルト三国、ベラルーシ、そしてウクライナ
2020年9月20日 22:43
現在の人間社会は史上もっとも豊かな状態にあると言えます。しかし、それでも貧困の問題は解決しません。この問題は様々なアプローチによって研究されていますが、まだ上手くいっていないのが現状です。 何故こんなにも貧困であり続けるのか? 物資の再分配を行えば解決するのか? 最近、その問題に挑んだのがトマ・ピケティです。彼の研究結果は非常に地政学的に興味深いため、紹介しつつ地政学的な視点からの考察を述べ
2020年9月4日 08:59
2020年8月28日に、安倍総理が辞任することを表明しました。第二次安倍政権は歴代最長の政権であり、その仕事量の多さ故に立ち位置によって様々な評価がありますが、地政学的には彼の外交はかなり高く評価されます。 今回のコラムでは、安倍政権の政権運営が地政学的に見てどのような結果を齎したか、そして安倍政権の退陣で最も影響を受ける中国及び朝鮮半島について書くことにしましょう。 このコラムは以下の
2020年8月10日 09:58
中国が一帯一路構想を大戦略として進めていることは、既に別のコラムでも述べました。今回のコラムでは、一帯一路を実現するにあたって、日本を完全に封じ込める策として中国が推し進めている汎アジア鉄道網について解説します。1.インドシナ半島の重要性 中国が現在推し進めている大戦略が一帯一路構想です。正式名称は「シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード」といいます。これは中国からユーラシア大陸を
2020年7月26日 21:16
地政学を国家運営に取り込んでいることで知られている国家はなんといってもロシアです。プーチン大統領の基本的な戦略は地政学に基づいて決定されたロシアの栄光と発展を実現するための国家拡大であると言えます。 例えば、クリミア半島をウクライナからロシアが奪い取ったのも、クリミア半島がロシアにとって地政学的に極めて重要な役割を果たしているからです。 今回のコラムではロシアの地政学的な戦略について解説
2020年7月12日 16:17
今回のコラムでは、ユーラシア大陸の未来に大きくかかわる地域である中東について書いていこうと思います。1.中東地域とはなにか そもそも中東というのはどういう地域なのか。実は、その定義はあまり正確には決まっていません。一般的には西はモロッコ、東はアフガニスタン、北はトルコ、南はスーダンまでに跨る、ユーラシア大陸の中心部を支配するアラブ人が中心となる地域を指します。しかし、時と場合、会話の内容によ
2020年5月9日 14:50
ヨーロッパの地政学第三回は、大航海時代から第一次世界大戦にかけてのイギリスの地政学、そして宿命的にそれと敵対する関係にあるドイツの地政学です。イギリスは大航海時代では後発組でしたが、スペインやポルトガルの前例を研究した結果、世界の盟主になることに成功した典型的なシーパワーです。1.イギリスの地政学 イギリスの地政学はヨーロッパの地政学と密接に関わっています。ヨーロッパ唯一の純粋なシーパワーで
2020年5月24日 17:25
新型コロナのパンデミックにおいて最も株を下げた人物を一人挙げるとするなら、WHOのテドロス事務局長は上から数えて五番目くらいには入るのではないでしょうか。 エチオピアにおいて、彼はまさに英雄的な活躍をした人物です。医師の労働環境改善、予防接種率増加、それら全てを支える人的資源の増加。彼のお陰で救われたエチオピア人は膨大な数に上ります。子どもの死亡率を2005年から2011年の間に30%も削減