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【読書】 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか

仏教は自己救済の宗教。合理を重んじ原因と結果を考える宗教。

およそ2500年前のインドが発祥。当時のインドに膾炙していた宗教はバラモン教。これは生まれながらにして高貴なバラモンから下賎なシュードラまでのカースト制度が敷かれている宗教。

ちなみにインドの人種は元をたどるとアーリア人。これは中央アジアに端を発する民族で後にヨーロッパまで渡っていく白色系の民族。インドに入ってきて侵略したといっても良い。つまりカーストトップのバラモンはアーリア人で下のシュードラなどは元からインド地方にいた先住民で占められている。

お釈迦様はそのようなカースト制度の元で生まれ、生まれながらにして人は平等のはずであるとバラモン教に対抗する形で仏教が生まれる。という側面もある。

お釈迦様は実在した人物であることがほぼ明らかになっている。根拠はアショーカ王が残した石碑。

お釈迦様はとある地方の王の息子として生まれチヤホヤされて育った。しかし青年になり外の世界を見にいくとそこには老人、病人、死人がおり、人に平等に訪れる老い、病、死にショックを受けて出家する。

出家した後、修行したりして最終的には悟りを開く。しかしお釈迦様の目的は自己救済なので他者へ自身の考えを広める気は無かった。そこに神様がやってきて苦しんでいる他者にも教えを広めて欲しいと言われたので教えを広めることになった。

教えを広めるにあたり行ったのは組織化である。まず弟子が5人できた。その後増えてくると修行もままならなくなってきたので解散して弟子たちがそれぞれ各地方で再組織化して仏教を広めていった。

日本における仏教はお釈迦様本来の仏教ではなく大乗仏教と呼ばれるもの。本来は仏になるのはお釈迦様ただ1人でその他の人たちは阿羅漢という仏一歩手前の状態を目指す者なのだが、大乗仏教では誰もが仏になれるし出家しなくても在家のままで仏教に帰依できる特徴がある。

お釈迦様の死後、仏教はお弟子さんたちの解釈により少しづつ派閥のようなものができていく。しかしどれかを正統とすると他を邪教としなくてはならないので、儀式的な部分を違えなければどれも仏教であるとした。大乗仏教はその状況下でさらに年代を経て出来上がり、中国に渡ったものが日本へ入って来た。出家しなくても仏教に帰依して救われるというお手軽さは広く仏教を伝えるのには都合が良かったのだと思う。

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